そのメイド、普通じゃない ページ1
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私はA・スィーリア。とある退廃地区の地下街で｢何でも屋｣を営んでいる二十三歳独身女、趣味は四つ葉のクローバーを引き裂くこと、特技は水の中で三秒目を開けること、チャームポイントはくるっとした下睫毛！ 嫌いなものは犬にございます。何故そんな私が此処に居るかって、そりゃあ貴方さまのボス、グルッペンさまからご依頼があったからに他なりません。｢この男の専属メイドとしてお前を雇わせろ｣と。私は何でも屋、勿論ご依頼承りました！ そんなこんなで此処へ来たって訳なのですが、
｢一先ずその物騒な銃を降ろしません？ トントンさま｣
｢……確かにメイドをひとり雇ったとは聞いとったけど、まさか窓をぶち破ってくるとは思わんかったな｣
｢だって御屋敷の玄関口に犬っころがいるんですもの｣
｢朝っぱらから侵入者かと思ったやんか…危うくあんたの脳天ブチ抜くところやったわ｣
粉砕された窓から燦々と降り注ぐ陽射し、吹き抜ける冬の冷たい風、物騒極まりない男。私を床へはっ倒し馬乗りになるその男は赤瞳を鋭く光らせ私の額へと冷たい銃口を宛がっていた。
先程も言った通り、私は本日よりこの御屋敷で雇われることになったメイドである。最初はちゃんと玄関の戸を叩こうとしたのだけれど、不運なことに私が世界で二番目に嫌う犬が門番として待ち構えていたので仕方なく壁をよじ登り窓ガラスをぶち破って彼の元へとやって来たのだ。
勿論想定はしていたが、警戒心MAXの彼は私の顔も見ずに引っ付かみはっ倒しこんな有様。おでこに風穴は開かずともそんなグリグリされては銃口の跡くらいはつきそうだ。
｢どうしてくれんねんこの窓。真冬やぞ、おい｣
｢グルッペンさまに直しやがれって可愛くおねだりしてみます。…って、あれ？ そんなあっさり解放しちゃっていいんですか？｣
｢グルッペンから色々聞いとる。あんたがネジのぶっ飛んだイカレ女だってこともな｣
銃を懐にしまい込んだ彼はのそのそと私の上から退いて書類にまみれた執務机へと戻っていった。あっさりと解放され転がったままの私へ、彼の手はとある一枚の紙を放つ。宙で摘み拝見するとそれはカフェでケーキを頬張る私の隠し撮りであった。…きゃっ、いつの間に。
｢ようこそ、フューラーファミリーへ。そんで帰れ、今、すぐに｣
伏せ目で此方を睨む赤瞳と、彼の傍に立てかけられていた一本の剣がギラりと光る。どうやら私、あまり歓迎されていないようで。
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紫紅兎(プロフ) - 夢主ちゃんのキャラがちょうどいい感じに濃くて素晴らしいですね！tntn様との絡みも大変微笑ましいです…過去に何があったのかも楽しみで色々考察しちゃいます、読むたびにマフィアパロって良いなぁと堪らなくなります、更新楽しみにして待ってます (2021年7月3日 1時) (
レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - あの………語彙力ないので簡潔にまとめるとですね……………とっっっっっても好きです。 (2021年5月27日 19時) (レス) id: 19366b94fd (このIDを非表示/違反報告)
リュウ - ヤベェおもしれぇですよ(？)更新頑張って下さい！！！！好きです！！！ (2021年5月24日 22時) (レス) id: fa1fb43e66 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 夜空さん» 夜空さん、ｺﾒﾝﾄありがとうございます~~！ かなりｷｬﾗが濃い夢主ちゃんなので尊いとまで言っていただけてとっても嬉しいです！ ゆっくりではありますが更新がんばります~~！ (2021年5月16日 20時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(プロフ) - ゆゆゆゆゆ夢主ちゃんが尊い(*´ω｀*) そうゆう性格の女の子の方が私は好きだよ←(何目線??)更新頑張って下さい!!!!! (2021年5月15日 17時) (レス) id: 947663e2d0 (このIDを非表示/違反報告)
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