疑る ページ8
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もう何年と聞き続けてきた目覚ましのメロディに眠りの淵から引きずり上げられ、掛け布団から少しはみ出したつま先に感じた冷たい空気に身震いした朝。冬が大分迫ってきていることを体感しつつ、何とか温もりの中からすり抜けリビングへと足を急がせた。
今日は、大丈夫だろうか。そんな不安を抱えつつ扉を開けば、既にカーテンが開け放たれた窓から眩し程の朝日が差し込んでいた。良かった、どうやら普段通り先に起きているらしい。キッチンを覗き込んでみれば何やら難しそうな表情を浮かべているトンくんを発見した。
「おはよ、トンくん。どうしたの？」
「あ。おはよ、A。りんご切ってたやんけど、結構難しいねんなぁ、これ」
「りんご？」
そう言って苦笑いを浮かべるトンくんの手元には確かに切られたりんごがまな板に並んでいる。そういえば何日か前に食べたいと思って買ったのに冷蔵庫に眠らせたままだった。忘れてたなぁ、なんて思いながらそのりんごをよく見てみれば、ひとつひとつピンっと真っ赤な耳を立てたうさぎの形をしていることに気が付いた。
「うさぎさんだ」
「うさぎさんや。可愛ええやろ」
「っふふ、可愛い」
まさかトンくんが朝からこんな可愛らしいものを生み出しているとは。思わず笑ってしまえば、彼も何処か満足そうに微笑む。……朝イチうさぎさんと爽やかスマイルのコンボは中々破壊力が高い。
綺麗にお皿に並べられたうさぎをしっかりとカメラに収めてから、さて私も早く支度しよう、と洗面所へ向かおうとすればトンくんが「あ、」と何か思い出したように呟いた。
「なぁ、Aの好きな食べ物って何なん？」
「好きな食べ物？……ううん、オムライス？」
「オムライスか……うん、分かった。じゃあ今日の夕飯それにしよな」
「え、いいの？」
「おん。まぁ、作ったことないから味の保証は出来ひんけど」
「ふふ、好きな物作ってくれるなんて嬉しいなぁ。今日はいつもより仕事頑張れそう」
何で突然そんなことを言い出したのかは分からないけど、今日はトンくんのお陰で何だか朝から幸せな気分でいっぱいだ。
「……ん、やっぱそっちの方がええよ」
「え？なにが？」
「いや、なんでも。呼び止めてすまんな、支度してきや」
「はぁい……？」
そっち、とは何に対して言ったんだろうか。よく分からないままトンくんに背中を押され洗面所へと足を向かわせる。
まぁ、何か嬉しそうだったし、いいか。
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ぴぷ(プロフ) - みおさん» みおさん、初めまして！一番！？嬉しすぎて泣きましたありがとうございます(；；)更新頑張ります〜〜！♪ (2019年12月26日 23時) (
レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
みお - 初めまして、いつも更新楽しみにしております！tんさんのお話で一番好きです.......この先の展開がとても気になってドキドキワクワクが止まりません！これからも更新頑張って下さい(○´ｰ`○) (2019年12月26日 11時) (レス) id: 0d2c4c6642 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - ぴぷさん» ほんと！？楽しみにしてるね！！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2019年12月26日 0時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 鯉口さん» 鯉ちゃん(*><*)ありがとう〜〜〜！続編は明日上がる気がするので続きも是非ぜひよろしくお願いいたします♪♪ (2019年12月26日 0時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - taka10さん» 訂正ありがとうございます(*><*)長い話になってしまってますがこの先も是非よろしくお願いいたします♪ (2019年12月26日 0時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
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