雪と茜 ページ1
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気がつけば、雪景色の中に力無く座り込んでいた。何故かは分からないが、腹の奥に渦巻く激情に今にも叫び出しそうで下唇を強く噛み締める。
苛立つような、激怒しているような、後悔しているような。死んでしまいたいと思うほどに心が痛くて、見えない何かに押しつぶされてしまいそうな圧迫感が自分を襲う。
涙が頬を伝う感触にはっとし、右手で乱雑に拭い取れば、自分が白い手袋を嵌めていることに気が付いた。あれ、と首を傾げる。よく見れば、自分が身にまとっていたのはあの見慣れた軍服だったのだ。最近は着ていなかった筈なのに、どうして。
辺りを見渡せば、真っ白な雪の上で青白い光を帯びた自分の愛剣がすぐ側に突き立てられているのを見つけた。それ以外に目に止まる物は何も無く、ただただ白銀一色の景色と燃えるような茜色の空が続いているばかり。
しかし、剣が手元にあるということは。
「……帰って、きた……？」
此処が何処なのかは皆目見当もつかないが、状況を考えるに元の世界へと戻ってきたのではなかろうか。
そんな、前触れもなく？一体何がきっかけで？考えようとも思い当たることは無く、ひたすらに疑問ばかりが残る。
それに、この原因の分からない感情は何だろうか。色んなものが渦巻いていて兎に角気持ちが悪い。自分は一体何に対してこれほどまでの激情に駆られているのか。
考えうる可能性に思考を巡らせようとすれば、突然ドクリ、ドクリ、と激しい動悸に見舞われた。急激な息苦しさに呼吸がままならず、ヒュ、と短い息を吸い込めば、凍てつく空気が鋭いナイフとなり喉を切り裂いていくような感覚がして喉元を両手で押さえつける。
「ｯは、……っぐ、」
呻き声を上げて雪の上へと転がるが、腹の内に渦巻く謎の感情の気持ち悪さ、酷い息苦しさ、訳の分からない状況にそれ以上何も出来ず、ただ仰向けになって空を仰いだ。不思議と身体に触れている雪の冷たさは感じない。
視界いっぱいに広がる茜色がゆっくりと、真っ黒のペンキを撒いたような闇にじわりと溶けていく。それと同時に、自分の身体が雪の中に深く、深く、沈んでいくような気がした。
見るなと言わんばかりに瞼が急激に重さを増して、考えるなと言わんばかりに思考に霞が掛かっていく。自分は、どうなるんだろうか。
薄れゆく意識の中で、最後に見たあの茜色。あれは、そういえば、いつか何処かで見たような、
なん、やっけ？
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ぴぷ(プロフ) - みおさん» みおさん、初めまして！一番！？嬉しすぎて泣きましたありがとうございます(；；)更新頑張ります〜〜！♪ (2019年12月26日 23時) (
レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
みお - 初めまして、いつも更新楽しみにしております！tんさんのお話で一番好きです.......この先の展開がとても気になってドキドキワクワクが止まりません！これからも更新頑張って下さい(○´ｰ`○) (2019年12月26日 11時) (レス) id: 0d2c4c6642 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - ぴぷさん» ほんと！？楽しみにしてるね！！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2019年12月26日 0時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 鯉口さん» 鯉ちゃん(*><*)ありがとう〜〜〜！続編は明日上がる気がするので続きも是非ぜひよろしくお願いいたします♪♪ (2019年12月26日 0時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - taka10さん» 訂正ありがとうございます(*><*)長い話になってしまってますがこの先も是非よろしくお願いいたします♪ (2019年12月26日 0時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
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