Custom makes all things easy. ページ31
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大型バイクは横転し、ズルズルとその大きな車体を大理石の床に滑らせてゆく。勢いよく周囲のものを巻き込み、店内は一瞬にして大嵐に攫われたような惨状と変わった。
ライダーは横転する直前に飛び降り、砕け散ったガラス扉の前で床に二転、三転している。そうしてヘルメットもなしにこんな大胆なことをしでかしたその男は、傷だらけの顔をバッと上げ、大きな口から、大きな声を上げた。
｢おい、トントン！！なんっで電話出てくれへんの！？｣
｢お前の名前を見たら拒否するって決めとんのや｣
｢まだこの間の仕事のこと怒っとるん？俺やって引きずり回して申し訳なかったなあって思っとるよ、いやほんまに！｣
｢顔が笑ってはりますけど｣
｢んふふ。や、そんなことより車持ってきとるやろ？ちょ、急いで出してくれへん？逃げられてまう！｣
｢嫌や他当たれ｣
｢じ、か、ん、な、い、ね、ん！｣
なんだか、その…子供が親に欲しい玩具を強請っているのを遠目に見ている気分だ。カーキのマウンテンジャケットをシャカシャカと鳴らし、座り込んだまま地団駄のように両手で床を叩く謎の男はトントンの知り合い、はたまた仲間であることは何となく分かるが、どうにもまた面倒事の予感がする。
か、隠れとこうかな。なんて、一歩後ずさる。しかしその瞬間、長い茶毛の前髪から覗いた男の鮮やかな翠瞳とカチリ、視線がぶつかってしまった。
｢じゃあ、あんたでええわ｣
｢えっ｣
｢大先生が構っとった女やろ？走れるんやってな。あんたの車に乗せてや、大至急｣
｢だ、大先生…？｣
｢こいつの車はここには無い。タクシーでも使ったらええやんか｣
｢……よし、じゃあ車だけ借りてくわ｣
｢は？……ッあ、おいコラ、ゾム！！｣
すくっと立ち上がったその男は軽い足取りでトントンの前に立ったかと思えば、すぐにくるりと背を向けた。満面の笑み付きだ。彼の指にはいつの間にやら車のキーが引っ掛かっていて、数秒遅れてトントンの叫び声が響き渡る。
｢っ分かった、運んだるからせめて運転はAに代われ！お前にハンドル握らせたら命がいくつあっても足らんわ！｣
｢ええ、楽しませたるのに｣
｢くっそ、最悪や……｣
厭な予感は的中したらしい。心底不機嫌そうに顔を顰めるトントンに｢行くぞ｣と再び腕を掴まれ引き摺られる。せめて店員さんに謝罪しないと、そう思って振り向くと、店員さんはこんな状況でも未だ微笑んでいた。まるでいつもの事だと言わんばかりに。
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ぴぷ(プロフ) - Adlerさん» Adlerさん、はじめまして！ｺﾒﾝﾄありがとうございます~！そう言っていただけてとっても嬉しいです！わたしもﾃﾝｼｮﾝﾌﾞﾁ上げで頑張ります！ (2020年10月11日 14時) (
レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
Adler(プロフ) - 初めまして！コメント失礼します！The戦争屋の小説でテンション上がっています！更新頑張ってください！！ (2020年10月11日 11時) (レス) id: 17a3f4fea4 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - レーナ（アンテファン）さん» レーナさん、コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとっても嬉しいです☆ 更新がんばります~！ (2020年10月7日 22時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
レーナ（アンテファン） - 面白い小説を発見☆頑張ってくださいー (2020年10月6日 22時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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