You need to stop to smell the roses. ページ25
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朝からすっかり乾ききったピザを数枚齧って、すり減っていた気力が幾らか戻った気がした。
｢A、ドライブでもしよか｣
呑気に面白みのない通販番組を眺めていた時。小一時間ほど部屋端にぽつんと置かれていた執務机に向かって書き物をしていたトントンが不意にそんなことを言いだした。
｢正気？首領メイニーの手下共が気張って私たちを探してるに決まってる｣
｢見つかったら逃げればええだけやんか。それに、色々と必要やろ。服とか｣
｢そりゃそうだけど、……もしかして私のこと、このままお家には帰してくれないの？｣
｢……莫迦やな。普通に帰れる気でおったんか｣
｢え｣
｢ま、そんならあんたの家に立ち寄ろか。ほら、行くで｣
｢あっ、ちょ、待ってよどういうこと！？｣
ロングコートに袖を通したトントンは赤いマフラーを巻きながらすたすたと私を置いて部屋を出てゆく。私も慌ててソファーに引っ掛けていたダウンジャケットを引っ掴み彼の背中を追った。
確かに昨日はタダで帰れるとは思ってなかったけれど、彼が案外やさしさを持った人間だと知ってしまった今、何となくぽいっと返してくれるような気がしていた。そんなことはなかったみたい。でも家に立ち寄ってくれるらしいし、彼が何をしたいのかよく分からなかった。
｢ねえ、トントンの車？｣
｢おん｣
｢私が運転しようか？｣
｢今日はええよ、仕事外やし。あと一応これ被っとき｣
｢おあっ、｣
指先に車のキーを引っ掛けて回す彼の隣に小走りで並べば、ぽすっと頭に何かを被せられる。視線を上にすればキャップの鍔が見えた。
明らかに男物サイズのそれはずるりと前に落ちて視界を遮ってしまうので、鍔を後ろに回せば｢それじゃ意味ないやろ｣と笑うトントンと目が合う。あ、顔を隠すためのものか。と遅れて気づき、少しの気恥しさでスニーカーの先に視線を落とした。
｢A、そういやあのGT-Rやけど⎯⎯⎯｣
彼がそう、何かを言おうとした瞬間。突然少し先に見えていた玄関がガンッと鈍い音を立て乱暴に開かれた。驚きのあまり勢いよく顔を上げ、脱げてしまったキャップが床に落ちる。
玄関の先に、誰かが片足を上げて立っていた。どうやら蹴破ったらしい。
ひらり、冷たい風に揺らぐのは眩しい金の髪。長い前髪の隙間から、青々とした鋭い眼が覗いていた。
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ぴぷ(プロフ) - Adlerさん» Adlerさん、はじめまして！ｺﾒﾝﾄありがとうございます~！そう言っていただけてとっても嬉しいです！わたしもﾃﾝｼｮﾝﾌﾞﾁ上げで頑張ります！ (2020年10月11日 14時) (
レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
Adler(プロフ) - 初めまして！コメント失礼します！The戦争屋の小説でテンション上がっています！更新頑張ってください！！ (2020年10月11日 11時) (レス) id: 17a3f4fea4 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - レーナ（アンテファン）さん» レーナさん、コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとっても嬉しいです☆ 更新がんばります~！ (2020年10月7日 22時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
レーナ（アンテファン） - 面白い小説を発見☆頑張ってくださいー (2020年10月6日 22時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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