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憧れたアメリカ、サンアンドレアス。その中で一等眩しく輝いていた、ロスサントス。目をひん剥いたって眺めきれない、最高のマシンがゴミのように溢れかえった私の桃源郷。
ちっぽけな島国で、オイルと煤にまみれて風になる夢を見ているだけに留まっていたら、こんなことにはならなかったんだ。愛車を奪われることだって、命を奪われることだってなかったんだ。野うさぎが、鷹になるような、そんな莫迦げた夢だったんだ。
よろよろ、傷だらけの体を無理やり稼働させ立ち上がる。そうして私は両腕を広げた。
｢
正気が削げ落ちて、気がおかしくなってしまったに違いない。私は、私を食い散らかそうとするイカれたジャンキーたちに言ってやったんだ。ついでに、莫迦げたサイズのポテトフライにちんまく添えられたケチャップのようにそっと、中指も添えてやった。指先は震えていた。でも、これでいいんだ。
｢⎯⎯⎯そう、自由。ここは自由の国。でもな、皮肉なことにその自由はそこら中に溢れてるクセに金か、暴力か、死でしか買えへんたいそうな代物や｣
自由が、欲しいか？
小鳥の囀りのような囁きが冷たい吐息を連れて鼓膜を擽った。
｢ヒッ、ンぐ、｣
｢俺の望む仕事を、俺の期待並に熟してくれるんなら、あんたをこの状況から助けたってもええよ。イエスなら首を縦に｣
｢むグ、ンン、！｣
｢ノーなら、俺の爪先を踏め。あんまりにも可哀想なもんやから、情けをかけたろか。踏んだ瞬間、俺はあんたの顎に宛てたこのリボルバーで、そっとあんたを自由にしたるよ。ああ、ほら、｣
｢あんたを楽には殺してくれへんやつらの足音が近い｣
背後から、男の角張った大きな手が私の口を塞いでいた。背にぴったりと触れているのは固い体。顎には冷やな細い無機物の感触。耳馴染みの故郷の訛りが悪魔のようなことを言う。顔は見えずとも、その男がやはりやつらと同類の莫迦げた人間だということは向けられた言葉からすぐに理解した。
生きて自由を手にするか。
死して自由を手にするか。
この街が謳う自由だ。どちらがいい、なんて、今となっては分からない。けれど、やっぱり、人間っていうのは莫迦で、生きたがりで、どれだけの汚い世界を見ようとも、生きるという言葉に醜くも希望の光を見てしまうものなんだ。本当に、莫迦だった。
私の首は意識せずとも縦に振られた。
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＊→←Opportunity only knocks once.
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ぴぷ(プロフ) - Adlerさん» Adlerさん、はじめまして！ｺﾒﾝﾄありがとうございます~！そう言っていただけてとっても嬉しいです！わたしもﾃﾝｼｮﾝﾌﾞﾁ上げで頑張ります！ (2020年10月11日 14時) (
レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
Adler(プロフ) - 初めまして！コメント失礼します！The戦争屋の小説でテンション上がっています！更新頑張ってください！！ (2020年10月11日 11時) (レス) id: 17a3f4fea4 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - レーナ（アンテファン）さん» レーナさん、コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとっても嬉しいです☆ 更新がんばります~！ (2020年10月7日 22時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
レーナ（アンテファン） - 面白い小説を発見☆頑張ってくださいー (2020年10月6日 22時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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