逃げ帰れ ページ27
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トントンのお陰でお腹を空かせること無く午後の業務も終了したのだけど、如何せんあの真剣そうなルビーの瞳が脳裏に焼き付いて離れず、ふとした拍子に思い出してしまっては悶えて頭を抱える私を隣のデスクの先輩が白い目で見ていた。
何が仕返しだ、馬鹿。あんなの私のちょっかいに比べたらお釣りが出てしまう。自分の顔の良さを自覚していないんだろうか、あいつは。あんな事されて心臓壊れない女の子なんて居ないと思うのだけど。
兎に角、今日の仕事は終わりだ。さっさとスーパー寄って帰りたい所なのだが、此処で問題がひとつ。毎週末は決まっていつものメンバーでの呑み会があるのだ。捕まれば問答無用で連行されるので何とか避けたい。
そのメンバーの内のひとりは同じ部署なのでちら、と様子を伺ってみれば、何やら遠くの方で話し込んでいるご様子。……よし、今だ。
そう思って鞄を抱えた私は急ぎ足でオフィスを出ようと扉に手を伸ばした、のだけど。
「何故帰る？」
「……何故って、仕事終わったから……？」
「今日は週末だゾ」
「いや、うん、そうなんだけど」
ガッチリと腕を捕まれ、背後から降り掛かるバリトンボイス。ゆっくりと横に視線を向ければ、ついさっきまで何やら難しそうな表情で部下と話し込んでいたはずのグルッペンがにこりと笑みを携えてそこに居た。いや何で。気付かれないと思ったのに……！
「何か大事な用事でも？」
「そ、そう、大事な用事なの」
「ほう。どんな用事だ」
「……と、友達が遊びに来るの！」
「あのメンバー以外にお前と遊んでくれるような友人がいるのか？初耳だな」
「う、」
畜生、グルッペンじゃなきゃ殴ってるところだった。流石に彼を殴ったとなれば社内の女の子たちから何をされるかわかったものではないので拳を握るだけに留めておく。
しかし、ぐうの音も出ない正論。グルッペンの言う通り、私が友人と呼べるような人達は今日の呑み会に参加するいつものメンバーくらいだ。トントン程ではないが、そこそこ付き合いの長いグルッペンならそれをよく知っている。悔しい。
「……本当に来ないのか？」
「ご、ごめんって」
「……ふむ。まぁ、お前がそう言うのなら仕方ない」
あれ、意外にもあっさり諦めてくれた。
グルッペンは気に入らないのかむす、と口を尖らせているが、取り敢えず許されたらしい。良かった。
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ぽっぷこーん(プロフ) - CSSのON/OFF出来るようにしてくれると嬉しいです。デフォに慣れてるとあまり落ち着かなくて……無理でしたらすみませんが、ご検討よろしくお願いします。めちゃくちゃ面白くて好きです。見てる途中です (2021年11月4日 17時) (
レス) id: 23b3a74ded (このIDを非表示/違反報告)
都 はなれ(プロフ) - はじめまして、ひぷさんの他作品から来たものです。CSSが切れないので設定の方変えていただくことは可能ですか？都合のお願いで申し訳ありませんがよろしくお願いします。 (2021年2月6日 22時) (レス) id: 70f991d98e (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 倉の中の石さん» 倉の中の石さん、初めまして！そう言っていただけるととっても励みになります。ゆっくり更新になってしまいますが、是非この先も楽しんでいただけたら幸いです。 (2019年11月21日 18時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石(プロフ) - めっさ面白いです！夢主ちゃんがヒロインヒロインしてなくて非常に好感が持てますね！更新頑張って下さい。応援してます！ (2019年11月20日 2時) (レス) id: b9ac23ea5c (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 零さん» 零さん、初めまして！お目通しいただきありがとうございます。上手く違いを出せているのかとても心配だったのでドキドキしていただけてとっても嬉しいです！これからもどうぞ、当作品を宜しくお願いいたします。 (2019年11月10日 23時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
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