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ひとまずはトンくんは此処とは違う世界からやって来たというていで次の話に移る。これから先どうするか、だ。
見たところ所持品はあの物騒なナイフだけのようだし、お金は持っていたとしても此処では使えない可能性が高い。戸籍も無し、家も無し。そんな彼を外に放り出す程、私は性格の捻じ曲がった人間ではない。
「帰れるまで、ここにいなよ」
「え、？」
「外に出ても路頭に迷うだけだし、ね？」
「……や、でも俺はあんたに返せるもんなんてないで。ただ迷惑を掛けるだけっちゅうのは……」
「いいよ、別に見返りが欲しい訳じゃないから。それにほら、幼馴染のそっくりさんが困ってるのに放っておけないって」
「………」
「独り身だからお金にも困ってないし、まぁ家はちょっと手狭かもしれないけど野宿よりいいでしょ。ここならゆっくり帰る方法を考えられるだろうし、私も何とか協力するから」
それに、本音を言うとちょっとだけ彼との生活にわくわくしてしまっている自分がいるのだ。
こんな事を思うのはトンくんにとっては不快に捉えられてしまうかもしれないけれど、その、見た目はトントンな訳だし。そんな彼が困っているのなら、手を貸さない理由はない。
それに、ひとりで知らない国にいるのは不安で仕方ないだろう。ただでさえよく分からない状況なのに。少しでもその不安を取り除いてあげられたらいいな、なんて。
「……ほんまにええの？幾ら幼馴染に似とるいうても、別人なんやで？」
「いいよ。まるっきり見た目も違う人だったとしても、流石にこんな状況で追い出したりなんてしないって」
「なんか、ほんまに申し訳ないなぁ……」
「ふふ、私は話し相手ができて嬉しいよ」
眉を下げて「すまん」と謝るトンくんに笑って返せば、彼も少しだけ笑みを浮かべてくれる。
「それにさ、ほら。此処にトンくんが突然来たっていうのも何かの縁かもしれないでしょ？」
「……ふふ、せやな。ありがと、A。色々考えて頭いっぱいやったけど、あんたのお陰でちょっと安心したわ」
「それなら良かった」
幼馴染とそっくりで、そんな彼が私の所へやって来た。トンくんは私を知らないようだけど、何も関係がないと言い切るにはまだ少し早いと思うの。
分からないけれど、何か理由があるんじゃなかろうか。それを一緒に探していけば、彼の力になれるかもしれない。
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ぽっぷこーん(プロフ) - CSSのON/OFF出来るようにしてくれると嬉しいです。デフォに慣れてるとあまり落ち着かなくて……無理でしたらすみませんが、ご検討よろしくお願いします。めちゃくちゃ面白くて好きです。見てる途中です (2021年11月4日 17時) (
レス) id: 23b3a74ded (このIDを非表示/違反報告)
都 はなれ(プロフ) - はじめまして、ひぷさんの他作品から来たものです。CSSが切れないので設定の方変えていただくことは可能ですか？都合のお願いで申し訳ありませんがよろしくお願いします。 (2021年2月6日 22時) (レス) id: 70f991d98e (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 倉の中の石さん» 倉の中の石さん、初めまして！そう言っていただけるととっても励みになります。ゆっくり更新になってしまいますが、是非この先も楽しんでいただけたら幸いです。 (2019年11月21日 18時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石(プロフ) - めっさ面白いです！夢主ちゃんがヒロインヒロインしてなくて非常に好感が持てますね！更新頑張って下さい。応援してます！ (2019年11月20日 2時) (レス) id: b9ac23ea5c (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 零さん» 零さん、初めまして！お目通しいただきありがとうございます。上手く違いを出せているのかとても心配だったのでドキドキしていただけてとっても嬉しいです！これからもどうぞ、当作品を宜しくお願いいたします。 (2019年11月10日 23時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
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