物騒な一日の終わり方 ページ1
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本当に、何でもないような一日だった。
社畜らしく馬車馬の如く働き、明日も仕事だというのに友人たちからの呑みの誘いにまんまと釣られ、へべれけ状態の私を家まで引きずってくれた幼馴染に介抱されつつ帰宅。玄関先で別れを告げ、さて今日も一日が終わったか、とドアノブを捻り足を踏み込んだ瞬間のこと。
「動くな。抵抗すれば即、首を掻き切る」
「……は、」
そんな何でもなかったはずの一日が、あと少しで終わるというところでおかしな方へとベクトルを向けた。
家に入るなり身体を突然ぐん、と何かに引かれ、そして勢いよく壁へと叩きつけられたのだ。衝撃により思わず胃の中で渦をまいていた色々なものが口から吐き出されそうになったが、それを止めたのがあの脅し文句である。
ピタリと首元に宛てがわれた冷たい感触にヒュ、と息を飲む。恐る恐る視線を下へと向けてみれば、シルバーのバタフライナイフを握る大きな手が見えた。
強盗？まさか、なんで私なんかの家に。残念ながらうちには大層な値打ちものなど置いてはいない。強盗であればとんだ不作だったことだろう。可哀想に。いや、なに同情してるんだ、私。
「今から幾つか質問する。きっちり答えたら解放してやってもええよ」
「……？」
その言葉にこくこく、と必死で頷きながら、とある違和感に気付く。
この、男の声。
つい今しがたまで自分を介抱していた彼にそっくりなのだ。幾らか低いような気もするが、彼も怒ってる時とかはこんな感じだったような。
いや、でも玄関先で別れて、真っ直ぐエレベーターに向かっていく背中を私はちゃんとこの目で見た。彼がここにいるなんて有り得ない。有り得ないが、……似すぎでは？
「まず、ここは何処や」
「………」
「……おい、早く答えろ」
ああ、やっぱり似てる。いや、似てるどころの騒ぎじゃない。
ここで私は意を決して、恐る恐る視線を上へと向けた。
「………と、トントン？」
「………」
ぱちり、と瞬きしてこちらを見下ろしていたのは幼い頃からずっと見続けてきたあの、ルビーの瞳。薄暗い玄関でも淡く光るそれを私が見間違えるはずもない。
その強盗はどこからどう見ても、幼馴染であるトントンだった。
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ぽっぷこーん(プロフ) - CSSのON/OFF出来るようにしてくれると嬉しいです。デフォに慣れてるとあまり落ち着かなくて……無理でしたらすみませんが、ご検討よろしくお願いします。めちゃくちゃ面白くて好きです。見てる途中です (2021年11月4日 17時) (
レス) id: 23b3a74ded (このIDを非表示/違反報告)
都 はなれ(プロフ) - はじめまして、ひぷさんの他作品から来たものです。CSSが切れないので設定の方変えていただくことは可能ですか？都合のお願いで申し訳ありませんがよろしくお願いします。 (2021年2月6日 22時) (レス) id: 70f991d98e (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 倉の中の石さん» 倉の中の石さん、初めまして！そう言っていただけるととっても励みになります。ゆっくり更新になってしまいますが、是非この先も楽しんでいただけたら幸いです。 (2019年11月21日 18時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石(プロフ) - めっさ面白いです！夢主ちゃんがヒロインヒロインしてなくて非常に好感が持てますね！更新頑張って下さい。応援してます！ (2019年11月20日 2時) (レス) id: b9ac23ea5c (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 零さん» 零さん、初めまして！お目通しいただきありがとうございます。上手く違いを出せているのかとても心配だったのでドキドキしていただけてとっても嬉しいです！これからもどうぞ、当作品を宜しくお願いいたします。 (2019年11月10日 23時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
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