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「ううん、これもいい……いや、こっちかな。トンくんはどっちがいい？」
「っえ、あ、……どっちでも？」
「よし、じゃあどっちもにしよ」
「ちょちょ、嘘、嘘！こっち！」
「いや、両方素敵だから両方買います」
「いやええって！服なんてそんな要らんから、」
「私が！着て欲しいの！」
「う、」
何とかトンくんを引きずりながらやって来たのはメンズのアパレルショップ。この間私が適当に見繕ったのはただの部屋着なので、どうせならお洒落な洋服を買おう、と選ばせようとしたのだけど、トンくんは今あるもので十分だと購入を拒否した。
確かに今の赤いパーカーとジーンズもシンプルながら着ている本人の容姿がとても良いので悪くないが、季節的にもう少しで冬が来てしまうし、暖かい服も必要だ、と何とか言いくるめ、現在私があれこれと服を物色している。
「A、ほんまにええって。流石に申し訳ないわ」
「これは私の我儘だから、トンくんが申し訳なく思う必要はないよ？私が着せたくて買うだけだし」
「……でもなぁ」
苦い表情で渋るトンくんにどうしたもんか、と頭を悩ませる。彼氏の一人でもいるならいざ知らず、私は独身女で、更には大した趣味もないのだから服を買うくらい何てことないのだけれども。
「……あ。じゃあ、今日も夜ご飯作って貰ってもいい？それでチャラにしない？」
「いや、飯は毎日作るつもりやったけど」
「っえ、……ほんとに？」
「当たり前やろ。それくらいしか出来ひんし」
「うわ、すごい嬉しい……！洋服買うだけじゃ割に合わない！あ、あの靴と鞄も、」
「ほんまにええから……！」
毎日トンくんの手作りご飯が食べれるなんて、何着服を買おうとも割に合わな過ぎる。最高か。しかし籠に放り込もうとした小物たちは棚に戻されてしまった。
「そもそも、此処で俺が生き延びられとるんはAのお陰やろ。何から何まで世話になっとるんや、全然返しきれへんよ」
「毎日トンくんのおはようとか、いってらっしゃいとか。それが聞ければ十分なんだよなぁ」
「そんなん幾らでも言うけど……」
「ふふ。だからさ、あんまりに気にしないでよ」
「……」
そう言って笑えば、トンくんは少し渋ったあと漸く折れてくれたようで、「ほんまに、ありがとな。」と眉を下げて微笑んだ。
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ぽっぷこーん(プロフ) - CSSのON/OFF出来るようにしてくれると嬉しいです。デフォに慣れてるとあまり落ち着かなくて……無理でしたらすみませんが、ご検討よろしくお願いします。めちゃくちゃ面白くて好きです。見てる途中です (2021年11月4日 17時) (
レス) id: 23b3a74ded (このIDを非表示/違反報告)
都 はなれ(プロフ) - はじめまして、ひぷさんの他作品から来たものです。CSSが切れないので設定の方変えていただくことは可能ですか？都合のお願いで申し訳ありませんがよろしくお願いします。 (2021年2月6日 22時) (レス) id: 70f991d98e (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 倉の中の石さん» 倉の中の石さん、初めまして！そう言っていただけるととっても励みになります。ゆっくり更新になってしまいますが、是非この先も楽しんでいただけたら幸いです。 (2019年11月21日 18時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石(プロフ) - めっさ面白いです！夢主ちゃんがヒロインヒロインしてなくて非常に好感が持てますね！更新頑張って下さい。応援してます！ (2019年11月20日 2時) (レス) id: b9ac23ea5c (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 零さん» 零さん、初めまして！お目通しいただきありがとうございます。上手く違いを出せているのかとても心配だったのでドキドキしていただけてとっても嬉しいです！これからもどうぞ、当作品を宜しくお願いいたします。 (2019年11月10日 23時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
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