心を蝕む言葉 ページ16
ar side
※arくんに女性に対する性的表現があります。苦手な方はbackしてください。
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二つ目の信号を曲がると広がるネオン街。
そこにはろくでもない人間がそこらじゅうに散っていて。
仕事の仮面を脱ぎ捨てると、俺もすっかりそんなヤツらと溶け込む。
今は通ることがなくなったこの場所は、今でもどうしようもない人間のためにあり続ける。
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「やっぱテレビかなんか出てない〜?」
「ははっ、そーゆー系興味ねーし」
適当なクラブで見つけた女は顔も良くて、身体を持て余していそうだった。既に酔っていた彼女に酒を煽らせ、近場のホテルへとふらふら歩く。夜に浮き出た街灯は、消えがかりそうになっているのに、ネオンがその存在をさらりと消す。するっと組まれた腕のすぐ側に当たる胸の形は俺好みだ。
「なんかアイドル系じゃーん、その顔〜」
「あ?マジ?俺イケメン?」
イケメンイケメン、なんていいながらグロスがべったり張り付いた唇を寄せてくる。派手な香水が鼻について、細い肩を押し返す。
そういうのはいらない。
俺には体だけで十分だ。
ホテルに付けばそこから作業のようになる。一つ一つの行動が、工場のパイプラインを通るみたいに作業化していく。
服を脱がせていけば、ベタつくグロスが右頬に触れた。きったねぇ。
最近わざとらしい声を聞きながら相手を貪ると、快感と共に吐き気が襲いかかってくる。
自分は間違ったことをしているのではないか、と。メンバーだってちゃんと彼女を作ってから、そして少なからずともそこには恋愛感情が伴っている訳で。
こう見えて初彼女だよ俺、なんて純粋に笑ういのちゃんが脳内でどんどん汚れていく。
俺がしていることって、本当に正しいのか?
いや、正しい。自分は間違っていない。
間違ってない、
間違って…。
分からなくなる。暗闇に突き落とされる感覚を、快楽でぐちゃぐちゃに塗りつぶした。
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「…シャワー浴びてくる」
「え、もー1回っ」
「明日、仕事早えーから」
ポツリと零して、タオルに手をかけると、「ねぇ」とベタつくグロスを塗り直しながら彼女が尋ねた。鏡越しに目が合うと、ニヤッと笑う。バスローブからチラリと見えた大きな胸は、わざと見せているのだろう。
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作者名:きなこも | 作成日時:2018年3月20日 18時