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もっと深く、彼を味わいたい。溢れ出る唾液と、控えめな喘ぎが快感を拾う。
だんだん大ちゃんの舌が震えながらも俺に絡まって、強く吸った。じゅ、と卑猥な音がして体に熱が集まる。
糸が引いて、顎に垂れると、お互いはっ、はっと息を整えた。大ちゃんの肩口に鼻を埋め、シャンプーの匂いを嗅ぐ。俺と同じ、シャンプーの匂い。
「…びっくり、すんだろーが…っ、は…」
「….ごめん…止まんなくて。…嫌だった?」
「…んなこと、言ってねー…よ、…」
二人で一緒にぽつり、ぽつりと話す。
やけに静かになった部屋には、自分たちの声が木霊して聞こえた。
大ちゃんは顔を真っ赤にして、持っていたタオルを頭から被る。
「…、好き…」
ぽつりと零れた言葉はブレーキが効かなかった。服の裾をきゅっと握りしめて俯く大ちゃんに、タオルの上から頭を撫でる。
「俺…も、そう言えるように…頑張る、…から」
そう小さくこぼしてから、大ちゃんはガシガシと頭を拭いて逃げるようにバスルームへ飛び込んだ。
危なかった。大ちゃんがあと1秒、長く俺の前にいたら
俺はさらに彼に踏み込むところだった。
「…やっば…超気持ちよかった…」
火照った体は中々熱が引かなくて、ベランダに赴いて熱を冷ました。彼がうちに来た時に吸っていた煙草の匂いが僅かに残っていて。
得意じゃないその匂いに、愛おしさがこみ上げる。
俺の感情は、いつまで一人歩きしていればいいんだろうか。
空の新月に問いかけても、姿を見せないことと同じように、返事は一向に帰ってこなかった。
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作者名:きなこも | 作成日時:2018年3月20日 18時