コベルトゥーラ･インフェプト《緑》 (ページ9)

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松倉｢よっ｣

『おはよ』

松倉｢なぁ、もうすぐ文化祭だな｣

『たしかに。今年は歌うの？』

　

　

この時期、毎年恒例の文化祭の話題が上がってくる。

去年、文化祭とは行かないけれど、中学で文化祭チックなことをした時に海斗はシンガーソングライターばりの歌声を披露した。

元々小さい頃から歌が上手いのは知っていたけれど、改めて歌手目指せるレベルだと思ったのを今でも覚えている。

その文化祭(仮)は他校とか高校生の人も沢山来てたし、しばらくの間地元の期待の星として海斗が噂になってたっけ。

　

　

　

　

松倉｢あ～、気分｣

『去年凄かったもんね、海斗地元の有名人になってたし』

松倉｢マジだるいよ、ちらちら見られるの｣

『まあここは地元じゃないし、歌いたいなら歌えばいいと思うよ。海斗が歌うなら私聴くし』

松倉｢考えとく｣

　

　

　
お兄ちゃんから聞くには、文化祭は好きな人とまわれる時間があるらしい。

お兄ちゃんは閑也先輩と回ったって言ってたけど、私同性の友達少ないし。

幼なじみだし海斗も回るのもありだけど誰かに恋してたら回れないし。

.......あっ、屋上の先輩暇かな。いや、女子たちに囲まれてるし選びたい放題か。

　

　

　

『あー！むずい！』

松倉｢びくった、、、何？問題解いてんの？｣

『いや...。ねえ海斗、好きな人の定義ってなんだと思う？』

松倉｢はっ？定義？

知らねーけど、アクセサリーとか見て、あ、これあげたいって思う人がそうなんじゃね？

俺は..........｣

『海斗は？』

松倉｢内緒だよ｣

『気になるじゃん、笑

んー、私はわかんないから今度アクセサリー見に行こっかな』

松倉｢俺ん時に行けば？｣

『確かに』

　

　

　

今パって思いつくのは今朝コケてた閑也先輩だけど、

恋愛感情は全くもってないし、、、。

　

　

松倉｢お前今日しかめっ面の日？｣

『人生ムズいよ、海斗』

松倉｢深そうで浅そう｣

　

　

あぁ、好きも理解できない私に恋人なんてできるの？

神様、どうかお願いだから私に彼氏をください！