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翌日、いつものように3人で登校して来たけども、
何故か今日は元太くんが何かと横にいる気がする。
いや、いつも横に割入ってくるんだけどそれが四六時中、みたいな。
『元太くん、1年の教室あっちだよ』
松田 「全然時間あるんで」
『...なんか、今日おかしいね』
松田 「今日は先輩にくっつきたい日です」
松倉 「...じゃ、俺先行くわ〜頑張れ〜」
『ちょっと、海斗!?』
松田 「...先輩、」
そう言って後ろから優しく抱きついて、私の方に顎をのせる。
ちょっと、ここ下駄箱なんだけど。
遅めに来てるから、人通りは少ないかもしれないけど
色んな学年の人に見られてすっっっごい恥ずかしい。
『まって、元太くん、どうしたの』
松田 「先輩充電中です。まだ30%くらい。」
『長い長い長い。ねえ、荷物置きたいんだけど』
松田 「ついてきます。このまま」
『このまま...!? 重いし、置きたいからもうこのまま行く!』
松田 「ふふっ♪」
教室にはいるなり、クラスから冷やかしが入る。
当の本人満更でもないけど私からしたら地獄みたいに恥ずかしい。
『元太くん時間も時間だから戻った方がいいよ。暑いし』
松田 「いま70%です。それに、俺は暑くないです。」
『元太くんが怒られちゃうから』
松田 「先輩送ってください。教室まで」
『え?私が?』
松田 「俺は先輩の教室まで行きました」
離れないからじゃん!と言いたい気持ちを抑えて
そのまま元太くんの教室に向かい始めた。
下駄箱を1回通らなきゃ行けないのがだるい所。
松田 「先輩いい匂いしますね。好きです」
『はいはい』
松田 「あー、幸せ」
『強めないでよ、暑いんだから』
松田 「暑いの暑いの飛んでけ〜」
『ほんと今日おかしい...』
下駄箱を通り過ぎて、自動販売機の前を通る。
すると、階段からうみ先輩が降りてきた。
私と元太くんを見て驚いた様子だったけど、何も言わずに去っていった。
....なんか、声掛けときゃ良かったな。
何とか送り届けて、無事くっつき虫は離れていった。
教室までゆっくり戻っていると、またうみ先輩とすれ違った。
...って、素通り?あの会話はなんだったの。
なんか勘違いでもされたかな。
思い当たる節がなく、ただ呆然と後ろ姿を眺めるだけだった。
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作者名:ニモ | 作成日時:2020年11月17日 20時