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あれから半年、先輩とは関わりのないまま時が過ぎて
1年生も学校に慣れてきた春。桜はとうに散っていた。
松倉 「A!おはよ!」
『おはよ。みて、今日のお兄ちゃんセット上手くない?』
松倉 「最近芸術作品作らなくね?俺つまんないんだけど。」
『練習したいならいつでも行くよ。海斗ヘアアレンジ上手いしね』
松倉 「おう!まかせろ!」
松田 「Aせんぱ〜い!と、海斗」
松倉 「俺おまけかよ」
この半年で大きく変わったことといえば、
海斗が休日によく私を誘うようになったことと、
この大きな犬がついてくるようになったこと...くらい。
文化祭の時から察してはいたけども、
ここまで好意全開でアタックしてくる人なんて初めてあったから
正直困りに困ってるけど、なんせ顔がいいからその顔に言い負かされることが多い。てか、それしかない。
松倉 「そういえば、体育祭元太リレー出んの?」
松田 「もちろん。A先輩にかっこいいとこ見せなきゃ」
『顔がいいんだからそんなことしなくていいって』
松田 「え、ねえ!海斗聞いた!?俺今褒められたよね!?」
海斗が元太くんに絡まれてる隙にそそくさと早歩きで校舎に入っていく。
よし、今日も巻くことに成功した。
数分すると、クタクタの海斗が教室に入ってきて元太まじやばいと言って机に伏せた。
『おつかれ。助かったから海斗の分も飲み物買ってくるね』
松倉 「まじ!よっしゃ」
2年生になり、階が変わって1年生の頃は自分たちの階に自動販売機があったから良かったけども
何故か2年の階にはなくて、1年側の方に行くよりは3年側の方に行く方が近くなった。
この仕組み、いまいちわかんないし2年の階に自動販売機ないなんて人権なくない?
『....あ、いちごミルク無くなってる』
いちごミルク信者のお兄ちゃんがいなくなったからなくなっちゃったのかな。
....先輩から貰ったいちごミルク、結局お兄ちゃんに飲まれちゃって怒ったっけ。懐かしい。
『.......あっ、』
昔の余韻に浸りながら自動販売機を眺めていると、1時間目の始まりを知らせるチャイムがなった。
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作者名:ニモ | 作成日時:2020年11月17日 20時