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本音を言えば、行かせたくなかった。
でも、彼女が選んだことだから諦めた。
「ええのん？ ゾムさん」
「……なにがやねん」
無駄に勘の良い大先生が、不安げにこちらを見てくる。しらばっくれても多分無駄や。
案の定といった答えが返ってくる。
「……ゆきが選んだことやから」
「ゾムさんらしくないなあ」
「やかましいねん」
大体、なんで知っているんだ。目線だけで訊けば大先生は、あー、と口ごもる。
「盗み聞きしてん」
「何をや」
「ゾムがゆきちゃんに告白しとるところ」
「は……」
見られていたのか。
そういえば、あのとき俺たちの間の沈黙を破ったのは大先生やった。きっと、あのときは酔っぱらっている振りだったのだろう。
「……俺な、ちょっとショッピくんが怖いねん」
「……なんでなん？」
「ショッピくんにな、彼女がいるんか訊いたときなんやけど……」
「ショッピくんって彼女おるん？」
「え、それきいてどうするんすか」
唐突な話題に戸惑っているのか、ショッピくんは少しだけ眉をしかめた。
「ちょっと気になっただけやん！ 教えてや」
「いや、別に……」
言い淀むショッピくんに、なにかあると確信して更にプッシュする。
「恥ずかしがらんくてええから、ほら」
「あの……」
「ええやん！ 減るもんちゃうし」
我ながらしつこく訊いたと思う。好奇心が押さえられなかった。だって、あんな反応されてしまっては何か秘密でもあるのかと思ってしまう。
「ショッピく……」
「あまり、踏み込まないでもらえますか」
絶対零度の視線。蛇に睨まれた蛙の気分だった。
何かに取り憑かれているような、何かに囚われているような人間味を感じさせない眼。
いつものショッピくんからは考えられないその眼に、息が詰まった。
「ご、ごめん」
「いや……」
すぐに、いつものショッピくんに戻ったが、ショッピくんに対する恐怖感は少し残っていた。
「……それ、大丈夫なやつなん？」
「多分……」
あんな眼はしていたが、何か犯罪には手を出していないだろう。
過去になにか、女性関係でトラウマでもあるのか。そういった類いだと、信じている。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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ぴざる - え…めっちゃすき焼きコロッケ丼…（） (2021年3月23日 8時) (
レス) id: 8f43ba0ff3 (このIDを非表示/違反報告)
ちくわたろー(プロフ) - ふぉおぉお、一気に読ませて頂きました！！神でした！！私がアホなのでお話全ては理解？出来なくて、でも雰囲気だけで読み進めても何かこう凄かったです！！後何回か読んでしっかり理解出来るようｶﾞﾝﾊﾞﾘﾏｽ！めっちゃ好きでした。。 (2020年1月10日 1時) (レス) id: 8347c78c1d (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - はぁー！めっちゃ良かったちゃんと解説もあって分かりやすかったです！私ハーピーエンドが好きな方だったんですがこの作品はめっちゃ好きです(語彙力無くってすみません)これからも応援してます頑張ってください(｀・ω・´) (2019年7月21日 7時) (レス) id: e6b21eff96 (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - 鳴宮さん» 私たち二人に対してコメントもありがとうございます！最後の表現は特に悩んだそうなので、かよさんもめっちゃ喜んでました！私もきゅんきゅんしてくださって、とても嬉しいです(五体投地)是非是非読み返してください！ (2019年7月6日 20時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
脳内お花畑(プロフ) - 鳴宮さん» 初期の方から応援ありがとうございます！一番好きだなんて…嬉しいです！次回作の話はまだ出ていませんが、機会があればまたお願いします…！ (2019年7月6日 20時) (レス) id: 999cc5b25a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かよ、脳内お花畑
x他1人 | 作成日時：2019年5月19日 13時
