呼び方の由来 ページ4
「…め、おい、姫」
気づけば止まっていたみたいで、目の前には爆豪くん以外に切島くん、芦戸さん、上鳴くんが立ってた。
「姫ちゃん、どうしたの？」
心配そうな表情で私の顔を覗き込む芦戸さん。そして何より呼び方…！
「…どうして芦戸さんまで姫呼びなの」
「え？だって可愛いあだ名だし？」
驚いて首を傾げる芦戸さんにはきっと悪気はない。
「…爆豪くんの呼び方は仕事をしないヒーラーへの別称だよ」
「え、そんなの始めて聞いた！」
「ネットゲーム、姫で検索すると色々出てくるから」
「違ぇわ！！それ以外にも理由なんざいっぱいあんだろ。ネトゲーマーなら自分でぐぐれ！！」
そう言うと、爆豪くんは先に行ってしまった。
(それ以外の意味…？)
私には覚えがなくてスマホでぐぐっていると…。
「おい、さっさと来やがれ！」
遠くから爆豪くんが呼んでいた。気づけば後ろにはしょうちゃんがいて、首を傾げながら私の顔を見つめた。
「…爆豪に何か言われたか？」
「ばくごーのAちゃんへのあだ名の由来？について！」
「あぁ、それ？僕も気になったから調べてみたんだ」
しょうちゃんの後ろからひょっこりと緑谷くんが顔を出した。しょうちゃんの背が高すぎて後ろに隠れてたみたい。
「ネットゲームの姫って言うのはもちろんAさんが言ってた意味もあるけど、それ以外には…」
「…おい、行くつってんだろ！！」
「え、ちょっと！！」
急に腕を引かれて私はずるずると引きずられるように歩きだした。
(それ以外の意味も知りたいのに)
私の後ろには芦戸さんがいるため、遠く離れていく緑谷くん達の姿は見えなかった。
「…おい、爆豪。あんまし乱暴に扱うな。それに俺はAのお母さんから守るよう頼まれてんだ、邪魔すんな」
その瞬間、しょうちゃんにも腕を掴まれた。
同時に引っ張られて痛い…？！と思いきや爆豪くんは力の加減がわかってるみたいで、腕は離さないけど全然痛くない。
「…姫、覚えあんのか？」
いきなり話を振られてびっくりしたけど、よくよく考えてみると覚えがない。
「一緒にヒーローになりなさい、とは言われたけど…」
「はっ、だとよ！！自分の都合がいいように解釈すんな！！俺はこいつとキャンプに行くって立派な理由があるから連れて行くだけだわ！！」
そう言われた瞬間のしょうちゃんの顔と、幼い頃のしょうちゃんの顔がタブって見えた。
「…っ！！しょうちゃん、先行ってるね！」
引きずられる最中、精一杯叫んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：でんきねずみ | 作成日時：2023年2月22日 21時
