幼馴染との距離感 ページ3
時間は午前12時。それなのにホームルームも終わって放課後扱いになった。
…と言うのも、昨日から自宅へ帰らず無人島に泊まっていたから。私は一人暮らしだから帰っても帰らなくてもどちらでもいい、寧ろ帰らないほうが助かったんだけど、他の皆はそうもいかないと思う。ちゃんと待ってる家族がいるんだし。
(帰ってお風呂入ろ…)
のろのろと帰り準備をしてると、周りからクラスメイト達の声が聞こえてくる。
(そういえばキャンプどうするんだろ…？)
爆豪くんのほうを振り向くと…。
「ねーねー、ばくごー！！早く買い出し行こーよ！！」
「あ゛？！それよりキャンプ場の確保と親への連絡が先だろ！！」
「…あ、そういえば僕らは昨日の夜家に帰ってないからまず先に宿泊許可をもらわなきゃね」
…私がのんびりしてる間に話は進んでいたようで。
爆豪くんの真横にいる切島くんのおかげで話は進展していたみたい。
「…鈴も買い出し行くんだろ？俺は後で合流する。だからline交換しねえか」
急に声をかけられ一瞬ビックリしたけど、クラスで始めてline交換した相手がしょうちゃんなのはとても嬉しい！
「あ、わかった。私バーコード出すね」
私はスマホを取り出してlineのバーコードを表示させると、他のクラスメイト達も読み込んでくれた。
「テメェ等もどさくさに紛れて登録してんじゃねぇ！！」
「ばくごーもしてたろ？！」
まぁまぁ、って切島くんが宥めてくれるけど、爆豪くんは引き下がらない。
「俺は連絡する必要があるから登録してんだろ！！…っつか舐めプ、連絡ならクソデク経由でもいいだろ！！」
「…別に、幼馴染なのに連絡先交換してねぇから」
「あ゛？！俺も糞デクとは交換してねーわ！！そもそもテメェ姫以外の女子とline交換したんか？」
「…してねぇ。そういう爆豪はしてんのか？」
「クソデク以外全員としとるわ！！テメェ、幼馴染を何か特別な関係と勘違いしてんじゃねぇか？！幼馴染なんざただ生まれた場所が近かっただけの単なる腐れ縁だ。無意識に幼馴染マウントすんな！！」
そう言い切ると、爆豪くんは何故か私の荷物を持って歩きだした。
「あ、爆豪くん待って！」
荷物を持ってもらったのでついて行く以外選択肢がない。
…でも、スマホをじっと眺めて動かないしょうちゃんの様子も気になった。
何より爆豪くんの言葉が説得力がありすぎたせいか、ずっと心の中でもやもやして引っかかった。
(私はずっと特別な関係だって思ってた。でも、違うんだ…)
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作者名：でんきねずみ | 作成日時：2023年2月22日 21時
