姉妹がアイドルと恋したら。第2章 (ページ6)

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妹の秘密。② ページ6

小瀧side

瑞稀が見せたのは
二の腕に付けられた傷痕やった。

タバコでやられたというその傷は
複数存在していた。

瑞稀「キャミソールとか、タンクトップとか、この傷が見える服は着れなくなっちゃったんだけど、ちょっと不思議だったんだ。なんでこんなとこにこんな事したのか」

望「なんでなん？」

瑞稀「肌を露出させない為だって言ってた。そうすれば変な男は寄って来ないからって」

望「腹立つわそれ。自分が彼氏なんやから堂々としたらええやん彼氏なんやし」

瑞稀「まぁそうなんだけどね。元彼ってちょっと変わっててさ、別れてからもずっと追いかけるのが趣味っていうか。結構ストーカーっぽいこともされたりしてたんだ。今はもう平気だけど」

望「警察には言うたん？」

瑞稀「言えないよ、そんなの。あたしだけじゃなくて、家族に迷惑かかっちゃうし」

望「怖くないの？」

瑞稀「怖いよ。すごく。でも負けたくないから。あんなヤツに。それに今はすごい楽しいから。この楽しい気持ち忘れたくないんだ」

望「瑞稀って、強いんやな」

俺より遥かに強い。

瑞稀「最初はすごくいい人だった。でもどんどん本性が見えてきて。一緒にいたらマジで殺されるって思った。ちょうど同じタイミングで引っ越しの話が出てたから助かったんだ」

望「今はないの？そういうこと」

瑞稀「ないよ、大丈夫」

望「まぁ…ないならええけど。何かあったら言ってや？できることはするし」

瑞稀「あのね、小瀧」

望「？」

瑞稀「人は傷付きながら前に進むんだよ、きっと」

望「傷付きながら？」

瑞稀「そう。どれだけでも傷付いて、裏切られて、苦労して…やっと自分が一番幸せな場所に辿り着く。あたしみたいにこんな過去を持ってても、絶対いつか幸せになれるって信じてる。信じなきゃダメなんだってば」

望「なんか…いい事言うんやな、瑞稀」

瑞稀「こんなんでもいろいろ経験してきたんだよ、あたしだって」

望「なるほど。でもやっぱ俺らの目は間違ってなかった」

瑞稀「どういうこと？」

望「他の子とはちゃうやん、やっぱり」

俺の言葉に微笑みを浮かべた瑞稀。

その微笑みの裏に、
どんな過去があるのかって
少し気にはなってんけど。

俺的にいい相談相手ができてよかった。