姉妹がアイドルと恋したら。第2章 (ページ45)

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小瀧はマセたガキンチョだ。ページ45

濱ちゃんち。
初めての場所なのに、落ち着く。

住んでる人が暖かいから、
この部屋も暖かいのだろうか。

濱ちゃんはあくびばかりしてた結果、
今ソファで気持ちよさそうに昼寝中。
寝顔がとんでもなくかわいいんですが。←

ふと、ずっと触らなかった携帯を見ると
小瀧から鬼のようにメッセージと電話が。
なにやら嫌な予感がしてきたぞ…

なんて思っていると、小瀧からの着信。

瑞稀「はい」

望「ああ！！やっと出た！何してんのも～！！あ、もしかしてもしかするか！？！？」

瑞稀「…シバくぞ」←

望「なんやねん！なんもないんかい！めっちゃ期待したわぁ～」

瑞稀「沙織は？」

望「寝てる」

瑞稀「まじか」

望「めっちゃ可愛いねんけど。どうするコレ。ほん可愛い。寝てんねん。分かる？」

瑞稀「分かるわ。やめて。沙織の許可なしに変なことしたらお前簀巻きにして海に沈めっからな」←

望「もーほんまにお前口悪いな！！しかも俺にだけ！！なんなん！？もっと優しくせぇや」

瑞稀「はぁ！？なんであたしが」

望「濱ちゃんにしか優しくできへんわ～って感じやな？ん？」

瑞稀「…ムカつく」

だけど、否定できないのは何故？

望「なぁ、お前もそろそろ気づいてんのちゃう？必要な人っていうか…大切な人っていうか」

瑞稀「…そんなの、」

そんなの、

前から、

望「…素直になるの、怖いよな」

瑞稀「…」

望「ほんまにこの人や！って思ったら素直になんのって尚更怖いよな。俺とお前が同じなんて言えへんけど…苦しんだのは、一緒や」

瑞稀「…うん、」

望「俺は素直になることを嫌がって、いつまでも自分の気持ちに背中向けてきて…やっと気付いたんよね。素直になるのを嫌がった時間が、無駄やったってさ」

瑞稀「無駄…？」

望「その間に壁ぶっ壊してたら、なんか得るもんあったやろって。今になって思ってんねん。勿体無いことしてたなぁって」

小瀧の言葉は、嫌という程
あたしの心に突き刺さったんだ。

瑞稀「…あたしじゃ、だめなんだよ」

望「…は？」

瑞稀「あたしみたいな人間に、綺麗な濱ちゃんは…勿体無いから」

望「そんなことっ、」

瑞稀「ううん、ありがと小瀧。でもね、濱ちゃんを苦しませる事もしたくないから。過去だって思いたくても、たまに思い出すんだ」

昔の暗すぎる過去に、
今でも、苦しむことがあるんだ。