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濱田の想い。 ページ34

濱田side




沙織は遠くを見つめたまま、
小さく言葉を発した。





沙織「瑞稀は、濱ちゃんと一緒。言いなりだったの。今まで好き合ってた男の」


濱「それは…瑞稀からも聞いたけど…」


沙織「じゃあ…それが原因で、自分の命を捨てようとしたことは?」


濱「えっ、」


沙織「バレてないってあの子は思ってるかもしれないけど、あたしだって一応こんなんでもお姉ちゃんだからもさ、分かっちゃうんだよ。なんか隠し事してるなって。ある男と付き合うようになってから、瑞稀は今までの元気が無くなって。空元気っていうのかな。抜け殻みたいだった。

気になって瑞稀の帰る時間に合わせて隠れて待ってたの。そうしたら、確実にオドオドしてて。周りをすごい気にして歩いてたの。わかる?」


濱「…つけられてたんか」


沙織「その日だった。夜ご飯いらないって言って、部屋から全然出てこなくて。気になって部屋覗いたら、カッター持っててさ」


濱「…っ、」


沙織「理由聞いたら脅されてたって。誰でも、家族が不幸になるとか言われたら…ビビるよね」


濱「…なんでそんなことになったん?」


沙織「別れ切り出したらそうなったんだって」









瑞稀は…そんなことがあったんや。
さりげなく後ろを振り向くと、
小瀧とからかい合ってる瑞稀。




その満面の笑顔に、
そんな過去なんて滲んでもいない。









沙織「久しぶりに見たよ、瑞稀があんなにはしゃいでるの」


濱「…ほんまに、頑張ったんやな」


沙織「そうだよ〜。あたしじゃ到底乗り越えられないことばっかり。あたしも濱ちゃんはいい人だって思ってるし、優しいって思ってる。でも、あたし思うんだ。瑞稀なら、濱ちゃんの忘れ物を全部…元どおりに持ってきてくれる」


濱「…忘れ物?」


沙織「そう。濱ちゃんが今まで忘れてきた時間も、想いも、気持ちも」









確かに、俺は今まで
いろんなものを置いてきたかもしれん。
さよならをした女の子と一緒に。









それが、俺に戻ってくる日が来るのか?









瑞稀と一緒にいるのは楽しい。
むしろ、いられるなら
ずっと一緒にいたいって思う。









瑞稀は、どう思うんやろ。









この関係が無くなってしまうのは
絶対嫌やし、考えたくない。









かと言って、
俺が何ていいのかわからへん。









俺は、絶賛迷子中や。←

小瀧と妹の雑談。→←姉の相談窓口。



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ゆま(プロフ) - ほんとにこのお話大好きです! (2017年12月3日 7時) (レス) id: f1fb311db4 (このIDを非表示/違反報告)
ののいん(プロフ) - きゅんきゅんしました^^ (2017年9月30日 23時) (レス) id: 23814b9144 (このIDを非表示/違反報告)
れ な(プロフ) - ぴっぴさん» でわ、フォローさせていただきます! リプしますので!! (2017年8月27日 19時) (レス) id: b8c40dadba (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ(プロフ) - れ なさん» はい!お知らせの所に書いてあるのでよかったら(*´∀`*) (2017年8月27日 19時) (レス) id: 73b563dda1 (このIDを非表示/違反報告)
れ な(プロフ) - ぴっぴさん» いやいや…、あの、Twitterしていたりしませんか?? フォローしたいんですが…。 (2017年8月27日 16時) (レス) id: b8c40dadba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴっぴ | 作成日時:2017年8月24日 12時

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