すのぼーい１９【男主】 (ページ14)

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＊勝手に拗ねてたけど意味なかったねページ14

『岩本さんスタンバイお願いします！』

岩「はい！」

増え始めた個人仕事
憧れている彼が学生の時から身を置いていたその場所に
自分も今、立っていることが純粋に嬉しい

少しでも追いつきたい
そう思いながらこれまでだって仕事をしてきた

だけど、

それぞれ個人の仕事が忙しくなるということは
当たり前にメンバーでの仕事の時間が短くなるということで

１５年前、
当たり前に隣にいたあの２人と過ごす時間は
どんどん短くなっていって

それがたまにすごく寂しい

大人になれば学生時代の付き合いなんて
少なくなるよ

誰かがそんなこと言った気がしたけど
俺たちはそんなふうにはならないと思っていた

同じ事務所でグループで、
俺たちはずっと一緒

そう信じていたのに
最後に３人でゆっくり同じ時間を過ごしたのっていつだっけ

学生の時からバレンタインにはチョコをくれたA
今はもう、それすら忘れちゃったかな

　「照〜」

岩「、え？」

　「おつかれ」

え？夢？
ドラマの撮影中だというのに現場に現れたA
差し入れ持ってきた！と指差す先には時期的なのか
俺を思ってなのかホットチョコレート

岩「え？どうしたの？」

　「ん？だから差し入れ持ってきたんだって」

クスクス笑うAは少しだけ
疲れた顔をしていて
あぁ。きっとすぐ帰ってしまうんだ
そう思ったのに結局撮影が終わるまで一緒にいてくれた

　「よし。では茅ヶ崎家に向かいます」

岩「え！？」

　「どした？」

岩「あれ？翔太は？」

　「いるよ？ヤツは
　今月いっぱい家にいるから」

勝手に
なんとなく勝手に

翔太がいる時は俺のこと
家にあげてくれないって思ってたのに

渡「おー。おつかれ」

岩「、え？」

　「んは！玄関開けてパックの翔太の威力よ」

渡「昨日、お前らうるさくて
　寝不足なんだよ」

岩「お前ら？」

ん。そういってパック翔太が指差す先にいたのは
「おつかれぇ」ってぐったりしてるふっか

　「んふふ。はい。
　俺と辰哉から手作りバレンタイン」

岩「！」

渡「feat.俺」

あぁ。そういうことか。
付き合いが長いから分かるよ
昨日、ふっかがAに怒られながら
俺のためにバレンタインチョコ作ってくれてたんだよね？

だから2人はぐったりしてるんだね

なんだ。そっか
いっつもバレンタインにはチョコくれてたの
Aは忘れてなかったんだ

岩「えっへ。美味し〜
　ありがとぉ」

　「んふふ。どういたしまして」