すのぼーい１２【男主】 (ページ15)

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そんなこと問いかけても
寝てるあいつから返事なんてもちろん
あるわけがなくて

渡「お前、あの人とも一緒に寝れるわけ？
　なんで寝室の場所知ってんの、？」

それなのにさっきは何も言い返せなかった癖に
一度口から出た言葉は止まることはなくて

渡「なんで俺、初対面のやつにあそこまで
　言われなきゃなんないの？
　なんで、なんでッ、。あんなカップルみたいなの
　見せつけられなきゃなんないの、」

ダメだ。このままここにいたって
俺、嫌なやつになるだけじゃん。

渡「A。俺も帰るからね、」

　「スーッ」

渡「俺にもさッ、気をつけて帰れって、
　家着いたら連絡してって言ってよ、Aッ」

　「、ん？しょぉた？
　あれ、どしたの？なんで泣きそうな顔してんの？」

渡「ッ、べつに。なんもない、
　あくびしただけ」

　「...翔太も一緒に寝る？」

渡「、お前酒くさいからヤダ！」

　「えー。俺酒くさい？
　あれ？俺風呂入ってないじゃん！」

クンクンって自分の匂いを嗅いでるAが
可愛くてさっきまでのモヤモヤが無くなりそうだったけど
Aのメッセージアプリの通知音が鳴って
一気にまた、嫌な感情が芽生えてきて。

渡「俺、今日は帰るわ」

　「ちょ、ホントどうした？」

渡「明日、午後からリハだからな。
　寝坊すんなよ。んじゃ、」

逃げるようにAの家から飛び出した。
それでも、こんな時どうしても1人になりたくなくて

目「ちょ、いきなり来てインターフォン
　連打するのやめて、。
　どうかしたの？しょっぴー、」

渡「ッ、ちょっと色々しんどい」

気づいたらめめの家に来ていた。
年下に頼るなんてちょっと情けないけど。

目「しょっぴー？またAくんと喧嘩したの？」

渡「またっていうな」

目「だって。しょっぴーがそんなになるって
　 Aくん関連だけだし」

渡「喧嘩は、してない」

さっきまでの出来事をゆっくり伝えると
「めちゃくちゃ強い女の人だね」なんて
そっちに驚いていて。

いや、そうだけど。そういうことじゃなくてさ。

そんなん言われたら不覚にも笑ってしまって
今日は泊まっていいよって言ってくれたから
お言葉に甘えてめめの来客用の布団を敷いた。

ねぇ、あの時さ。
茅ヶ崎翔太にしてよって。素直にそう言ってたら
何か違ってたのかな。

俺とAのメッセージ履歴は次の日になっても
動くことはなかった。