すのぼーい１２【男主】 (ページ14)

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＊何か言える権利なんてないページ14

いや、何事？
言いたいことも聞きたいことも沢山あるよ。

こいつ引っ越したばっかりなのに寝室分かってるって
ことはこの人は初めてきたわけじゃないってことで。

俺がいるからピッとしてってことはこいつのこんな状態を
これまでも見たことがあるってわけで。

っていうか、意外と警戒心の強いアイツここまで
ふらふらになれるってことはそれだけ近い存在だって
ことで。

なんでそんなに簡単にお前のこと触らせてるの？って。

週刊誌に撮られたりしたらどうするつもりなんだよって。

なんでこの人は我が物顔で冷蔵庫から水取り出して
ベッドに腰かけてお前に飲ませてるのって。

だけど、そんなことよりも。

ねえ、この人は一体誰なの。なんで俺は
目の前でこんなカップルみたいな２人を
見せつけられてるの？

お前いつも俺が辛い時とかすぐ気づいて
慰めてくれるのになんで今日は俺のとこ
来てくれないのって。

そんなの、ただのメンバーの俺が
何も言う権利ないのに。
ただのメンバーで友人な俺が
文句つけれることなんて何一つないというのに。

　『それじゃあ、帰るからね？
　ちゃんとお水飲んで寝なよ？』

　「ん。ゆっちゃん気をつけて帰ってねぇ。
　お家ついたらちゃんと連絡してね」

　『連絡したってA寝てるでしょ？』

　「起きてるかもしれないじゃん」

　『んー。どうかなあ。とりあえず
　連絡はするよ。それじゃ、おやすみ。またね』

　「またねぇ〜」
　

そういうとその人は寝室から出てきて
扉の前で呆然としている俺に視線を向けた

　『ごめんね？渡辺くんが来てるって知ってたら
　飲むペース抑えさせたんだけど、』

渡「いや、俺が勝手に来ただけだし」

　『...ふーん。そっかぁ』

渡「...」

　『面白くなさそうな顔してるね。
　そんなに嫌だった？自分以外がAと
　引っ付いてるの。自分以外がAの寝室
　入ってるの』

渡「なッ！」

　『思ってた以上に自分勝手だね。
　渡辺くんて。ただのメンバーでしかないのに』

渡「ッ、」

　『なんの反論もできないんだ。情けないね〜。
　そんなんじゃ大好きなA。
　誰かに掻っ攫われちゃうかもねえ』

そう言って鼻歌を歌いながら帰っていった。
思い切り塩を投げてやりたかったけど我慢した。
あんなんでも、Aが気を許してるやつみたいだし。
俺は嫌いだけど。普通に

渡「幸せそうに寝ちゃってムカつくな。
　 ...なぁ。さっきの人誰なの？」