雪男の紅一点は佐久間くんと友達以上《桃》

＊忘れたいのに ページ11

大ちゃんに彼女さんができたと
報告されてからひたすら仕事に打ち込んだ。


恋愛の傷は恋愛で癒やせ！


なんてよくいうけど職業柄もあれば
自分の性格的にもそういうのは向いていなくて。


だけど、そんなある日


　『桜田Aちゃん、ですか？』

　「はい。えっと、」

　『あ！やっぱり！
　 わたし「姫ちゃんッ！」あ！大ちゃんッ！』

　「ッ！」


大ちゃん。

わたしと同じ呼び方をする彼女と
気まずそうな大ちゃん。

ああ。今すぐここから消えていなくなりたい。


佐「...勝手にいなくならないで」

　『ごめんね？Aちゃんみえたからつい』

佐「えっと」

　『大ちゃんとお付き合いしてる姫花って
　 いいます。実物のAちゃんって
　 本当に可愛いですねえ〜』


ジロジロ。

値踏みされているような視線と
明らかな悪意。

多分、彼女は私たちが付き合っていたことを
知っている。

これは完全なるマウントだ。

今の彼女は自分でありお前が出てくる幕はない
という牽制だ。


佐「姫ちゃん。Aが
　 困ってるから向こう行こう」

　『なんでメンバーの彼女と話すのに
　 困ることがあるの？』

佐「姫ちゃんッ！」

　『...は〜い。じゃあAちゃん。
　 また今度ゆっくり』



ようやく目の前から2人がいなくなって
全身の力が抜ける。


　「つかれたッ、」

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