＊隣にいて欲しいのは ページ23
泣く権利なんて俺にはないのに
それでも涙は止まらなくて。
違うよみぃ。俺の幸せには
あなたが本当に必要なんだ。
この部屋に俺だけ残して
いかないで。
そんな想いを伝えたい相手は
もういない。
岩「みぃ、」
佐「...」
深「佐久間？」
佐「泣きたいのはアイツだよ
照が泣くのはズルいっ」
深「ちょ、佐久間！」
佐「なんで！こんなになるまで向き合って
あげれなかったの！？大切だって
伝えてあげなかったの！そんなに
泣くくらいならどうして好きだって
みぃじゃなくて本当のアイツの名前で
伝えてあげなかったの！ずっとずっと、
アイツは傷ついてたのにッ」
みぃと呼ばない佐久間に違和感を持つ
深「佐久間はみぃちゃんの本当の名前、
しってんだね」
岩「！？」
佐「、昨日最後のお別れに来た。
また会いたいって言っても
会わないって言われたッ」
深「そんな、」
佐「返してッ、俺の友達なんだから」
そういって佐久間まで泣いてしまって。
改めてみぃのこと何も知らない自分に
嫌気がさす。
名前も、家族構成も、好きなものも
これまでどうやって過ごしてきたのかも
なにもかも。俺は知らない。
目の前で泣いている佐久間よりずっと
一緒にいたはずなのに、俺は何も
知らうとしていなかった。
深「、みぃちゃん。元彼に復縁迫られてた。
元彼と同棲してたけど浮気されて
追い出されたときに照に会ったって」
岩「ッ、」
深「多分、そいつのとこには
戻ってはないと思う、けど」
佐「行きそうな場所とか、ないの？」
岩「、そんなの」
深「しっかりしろ！照ッ！」
行きそうな場所。
そう考えてもなかなか出てこない。
みぃは基本家にいて出歩くのは買い物くらいだった。
みぃと出会ってからの記憶を全力で思い返す。
岩「、水族館」
一ヶ月記念日に一緒に行った水族館。
あの日、みぃは少し様子がおかしくて
だけれど帰る時には幸せそうに笑っていたのが
印象的で、
「いつかまた、一緒に来てくれる？」
未来のことを話さないみぃが
珍しくそんなお願いをしてきたのもこの時だった。
深「行ってこい。俺たちここで待ってるから」
佐「、A」
岩「え」
佐「みぃきちの名前。
絶対、探し出して連れてこないと
許さないからな」
ねえ、みぃ。もう一度だけ
チャンスをくれないかな
今度は絶対間違えないから
だから、最後にもう一度だけ
俺の言葉をきいてほしい
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作者名：ちーたろ
| 作成日時：2023年1月17日 23時
