◎ 恋をしてみたい《 N.K 》

021. ページ21

のぞむ






駅で、たまたま見かけたAちゃん

声かけて見たけど


なんかいつもと様子が違くて




…と思ってたら急にフラってして

俺の方に倒れこんできて


どうしよ！て思っておでこ触ったら
めっちゃ熱くって、


俺こんなときどうしたらいいかわからんくて
神ちゃんに電話してみたら

Aちゃん家まで連れてって
親御さんに説明しろって



そういえばこの前家まで送ってったし

なんとなくAちゃん家までのルートは覚えてる


Aちゃん背中に乗せて、家まで歩く




「 あれ？電気ついてへん… 」

Aちゃん家、着いたけど
玄関の電気も中も真っ暗で


あかんよな…と思ってんけど仕方ないから

Aちゃんが持ってたバックの中から
家の鍵らしきもの取り出して、



「 …おじゃまします 」

やっぱり、家には誰も居らへんくて


時刻は23:30 、いつも、1人なん？




とりあえず、電気つけて
入ってすぐのリビングのソファに寝かせて


「 …Aちゃん？Aちゃーん！」

「 …っ、あれ…、えっ！？」


トントンってして、名前呼んだら
少し、目開けて起きてくれて


「 のんちゃん、なんで… 」

「 駅前で会って、Aちゃん倒れたから
ごめんなあ勝手に上がり込んじゃって 」

「 いや…ごめんなさい！迷惑かけて… 」

「 いや、ええねん！ちょ、まだ寝てて！」

「 いやでも… 」

「 ええから！あ、冷えピタとかある？」

「 そこの棚のなかに… 」



Aちゃん、結構しんどそうで

俺に気使おうとしてるんやけど、
すぐ寝てもうて

Aちゃんの部屋運んだ方がええんちゃう？


…と思ったけど部屋わからへんしなぁ



2階上がってみたら、3つ部屋あって

1番端っこの部屋に「A」って書いてある
プレートがぶら下がった部屋



ドアノブに手かけたはいいけど

女の子の部屋勝手に入るなんて…ええのか



まあでも仕方ないやんな？な？




…ガチャ





「 え？… 」



Aちゃんの部屋のドアを開けた時

俺はなんか、なんやろ
すごいものを見てしまった気がして


確実に時が止まった





けど、なぜか、嬉しくて嬉しくて




Aちゃんの部屋には

7WEST時代のポスターとか
俺の公式内輪とか、ピンクのものとか
コンサートグッズとか


綺麗に飾られてたり、整頓されてたり







…俺の、ファンやったんや






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