◎ 恋をしてみたい《 N.K 》

013. ページ13

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今日は土曜日です

部屋を片付けなきゃいけないんです



言い忘れてたけど、

わたしはほぼ一人暮らしで


お父さんはわたしがまだ2歳の時
お母さんと離婚して、


お母さんはわたしを女手一つで育ててくれてる

いまも、遠くに長期の仕事に行ってて

月に2回くらい、仕送りをくれる



お母さんがあんまりたくさん
わたしに仕送りしなくていいように

バイトして、稼いでる


お父さん居らへんから、

わたしが寂しくないようにって


コンサート行く時だって
わたしが我慢しないように
お金くれたりするけど


これからはもう、わたしが働いて

お母さんが苦労しなくてもいいように



だからお母さんは家にほとんど居ないから

今日は掃除の日です



自分の部屋は、望くんで溢れてる

そこまで汚いわけやないけどな？(笑)


それで17時からバイトやバイト！


17時から22時まで！

土曜日やし、今日は忙しそうやな〜




16時、家を出てバイト先に向かう

駅前でバス降りたとき



後ろ姿だけで、わかった



「 …のぞむくん 」




やっぱりこの辺に住んでたん？

16年生きてきて、会えたことなかったけど



声かけたいけど、

声かけたら、



望くんのファンってバレるかなあ

てかわたしのこと覚えてる？


居酒屋のお姉さんやで！(どや)




そんなこと考えてたら

望くんが、くるっと振り返って




目が合った





「 …あぁ！Aちゃん！」

「 …え？！な、なんでわたしの名前… 」



少し小走りで近づいてきた望くんは

あああもお！かっこよすぎんねん！




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