ウソつきはアイドルの始まり (ページ7)

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一度きりの人生を楽しむために青春はこれに全て捧げた。

それでも冷たい目は自分に突き刺さり、早くあきらめろと言い続けた。

早々にやめていく人たちはたくさんいた。
一緒にやめようといわれたこともあった。

あきらめない自分を笑う人や罵倒する人もいた。

でも、一度あこがれてしまったら手放すことはできなくなっていた。

早い人は自分の年齢ですでに売れっ子のアイドルで。
自分はまだそのステージにすらたてていない。

限界が来ているとわかっていた。

鏡の前で何度も基礎ダンスを踊り、繰り返し体に叩き込んだ。

いろんな映画や本、音楽を聴いたり自ら演奏してみたりもした。

月末評価では常に高得点をだしていた。
それでもまだ足りないのだ。

あれから何度もチャニに誘われた。
何度もうなずきそうになったが彼らのことを考えると自分は簡単にうなずくことができなかった。

ダンスが上手なミノさん。
彼が入社した時、基礎ダンスを教えたのが自分で2週間で覚えてしまったときは驚いた。面白い人で優しい人。

同い年のチャンビン。
彼はフレンドリーでダークラップが魅力的。その性格や愛らしさは生まれつきのものだ。誰にもまねできない。

ヒョンジンくんは努力家だ。
ビジュアルでデビューできるといわれていたが彼にはそれ以外にも魅力がある。何度も一緒にダンスレッスンをしたがその度に実力は上がった。

ラップが上手なジソン。
彼は高い声がコンプレックスだったみたいだが彼の声は素敵だ。一緒に歌っていて最高に楽しかった。

オーストラリアからきたフィリックス。
韓国語はまだまだだが純粋な心と魅力的な低い声は天性のもの。韓国語を教えているときは苦痛そうな顔を一度も見せたことがない。

スンミンくんは天使の声を持っている。
誠実で真面目で周りを気遣える優しい子で声をかけるたびににこにこと嬉しそうにそばに寄ってきてくれた。

可愛いジョンインくん。
一緒にパフォーマンスをしたとき、最初は自信なさげな彼がステージに立つとまるで別人のようで演技力に長けているすごい子だ。

そしてチャニ。
隣にいたからわかる。彼は天才の一言で表してはいけない。彼らの才能をすべて見出し、このメンバーを選んだ。

彼らは必ず第四世代を引っ張っていくアイドルになる。
鏡の前でそんなことを思いながら休憩しているとガチャリ、と誰かが入ってきた。