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秘密 ページ48

自分は女だ。

練習室で一人、膝に手をつき、肩で息をしながら鏡を見つめる。
練習生時代より随分と逞しくなった身体は自分を男性に見せるのには持って来いで。
異国の血が入っており、祖父の遺伝からか自分は恵まれた体質だ。

化粧をすると自分が男性にしか見えない。
それはメイクを担当してくれてるオンニのおかげだろう。

嘘を突き通せば真実になる、とよく言う。でも真実でいられるのはいつまでなのだろうか。
なんて考えてしまうことが時々ある。そう、こうして一人自主練をしている時だ。

鏡の前に置いてあるペットボトルをあけると喉を潤した。

あの日、この場所で誓った。
自分は一生かけて嘘をつき続け、アイドルAとして生きる、と。

スキジギの中の数名とPDニム、そしてメンバーではチャニしか知らない事実。
決してバレてはいけない嘘なのだ。

ふぅ、と息を吐くとその場に座りタオルで汗を拭く。
自分のパートではない部分も踊ったまま安定して歌えるようにと何度も練習を繰り返していたため流石に疲れた。

ぼんやりと歌を口ずさみながらトン、トンと足でリズムをとる。

自分はメンバーには話した方がいいのではと思っている。
でももう話せないくらいまでに彼らと男である自分が仲良くなってしまった。

今自分が男ではなく女だと知ったらどうなるのだろうか。
きっと、たくさん気を使ってくれる。彼らは優しく、そして繊細な人達だ。

信用していた相手が自分にずっと嘘をついてたなんて、きっと傷ついてしまうに決まっている。

「"……馬鹿だな、本当に"」

誰もいない練習室に自分の声が響いた。

膝を抱え、一人踞る。
こんなに罪悪感に駆られると言うなら最初からアイドルになんてならなければよかったというのに。
こういうときはいつも隣にチャニがいてくれたからなんだか孤独で。

じわり、と目が熱くなっていくのがわかった。
ああ、本当にダメだ。マイナスな気持ちになっている。

するとガタン、と音がなり、誰かが入ってきた。
慌てて目を擦り、涙を拭く。

「ヒョン」

その声を聞き、振り返るとそこにはスンミンがいた。

今の、見られただろうか。
まあ見られていたとしても休憩して汗を拭いていたとおもうだろう。

「スンミナ、どうした?」

彼は自分に近づくと自分の前に座り、手を握ってきた。
いきなりどうしたのだろうか。何が何だか分からず、首を傾げる。

「…ヒョンって手が小さいですよね」

ぽつりと彼は話し始めた。

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ぴヨこ(プロフ) - 雛さん» ありがとうございます!!!!!! (9月14日 17時) (レス) id: 0be2f5b57c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めちゃめちゃ好きです!!!! (9月13日 15時) (レス) id: 5d587cd0ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴヨこ | 作成日時:2023年9月5日 20時

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