ウソつきはアイドルの始まり (ページ44)

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「ブッ」

我慢できなかった、という風にチャニヒョンは吹き出した。
そしてお腹を抱えて笑っている。

オンマ、そうAヒョンはそう言った。

みんな状況が理解できなくて頭の中に？だらけで。

「Aヒョン！！！」

遅れてやってきたイエニとスンミナはこの状況をみて固まった。
そりゃあリーダーが大爆笑してて熱愛報道がでた張本人が頭を抱えていたらそうなる。

そしてまたあとからやってきたリノヒョンも半笑いで。

「A、お前自分の母親と熱愛報道でてるよ」

小馬鹿にしているような言い方に皆ようやく状況を理解した。
僕もやっと理解できた。

この熱愛で出された女性はAヒョンの母親なのだということに。

ヒョンは証拠として一緒に撮った写真と最新の家族写真を見せてくれた。

Aヒョンのご両親は見た目がすごく若く、美形で。ご両親は相当仲がよさそうで。
この両親あってのAヒョンだというのに納得をする。

「久しぶりに母と会ったから完全に浮かれてる写真だよこれ…」

「ッ」

チャンビニヒョンは肩を震わせて笑い出し、Aヒョンの肩に腕を回して「お母さんが好きなんだな」といった。

皆その言葉がじわじわと来たようで我慢できない、という風に笑い出した。
Aヒョンのご両親は世界を回っていていろいろな場所で仕事をしていると聞いたことがある。
なので一緒に撮った写真も少なく、「両親に会いたい」ともよく言っていた。

「なんだ、よかった」

無意識にこぼれていたその言葉は心からの安堵の言葉で。
どうしてこんなにも自分が安心しているのかわからなかったが心の底からほっとして壁にもたれかかる。

「Aヒョン～～！」

「おあ！」

ハニとヨンボギは相当不安だったみたいで泣きついた。
よしよし、といった様子で二人の背中をなでるAヒョンにすこしムカつく。前まではこんなことはなかったというのに。

む、っとした僕の表情に気が付いたのか「ヒョンジナ」と僕の名前を呼ぶと手招きされたので僕もその輪に入る。ハニの背中に回していたをはなし、ぽんぽんと頭を撫でられると心が躍る。

自分がこんなにもAヒョンのことが好きだったなんて。

「とりあえずスキジギが探していると思うから事情説明に行くね」

そういうとAヒョンは作業部屋を後にした。

今夜はヒョンの部屋を訪れてたくさん小さい頃の話をしてもらおう。
僕の知らないヒョンが居なくなるように。