ウソつきはアイドルの始まり (ページ43)

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「ヒョンジナ！ヨンボガ！！大変だよ！！！」

事務所に来て練習室にてヨンボガと一緒にダンスの練習をしているとハニがノックもせずに入ってきた。
なにごとか、とタオルで汗を拭きながらハニが見せてきたスマホの画面を見る。

その記事の見出しに目を疑う。

「Aヒョンに、熱愛…？」

「そう、写真も撮られちゃってて…」

モザイクがあってもわかるほどに相当美人な女性だ。スタイルもよく、腕を組んで楽しそうに歩いている。
「嘘…」とヨンボガの小さな声が聞こえる。自分もそう思いたい。

正直相当なショックを受けている。頭を殴られた気分だ。
大好きなヒョンがこんな知らない女と一緒にいた。しかも年上で僕たちに向けるようなう優しい笑顔。

「ヒョンに連絡は？」

「したけどつながらない…多分いろいろな人から連絡が来てるんだと思う」

朝、会った時はいつも通りだった。
いつも通り挨拶をしていつも通り戯れて、そしていつも通りの笑顔。

「とりあえずチャニヒョンのところへ行こう」

そういい、荷物を持って練習室をでる。
事務所の人たちも熱愛報道を読んだようでAヒョンを探しているようだった。

チャニヒョンの作業部屋へつき、ノックして中から返事があったため開けるとそこには作業しているチャニヒョン、チャンビニヒョン、そして報道の張本人であるAヒョンがいた。

「Aヒョン！！」

「え？どうしたの、そんなに慌てて」

チャンビニヒョンとくっついてソファに座っていたAヒョンはいつも通りで拍子抜けする。

「熱愛報道！！」

「誰が？？」

「Aヒョンが！！」

「え！？！？自分！？！」

聞いたことのないほど大きな声を出すと立ち上がるAヒョン。
その様子は全く心当たりがない人の反応だった。

ハニがヒョンにスマホを渡し、先ほどの記事を見せた。
チャンビニヒョンとチャニヒョンとくっついて一つの画面を見る姿はいつも通りだ。

「オマエ…」

写真を見るとチャンビニヒョンがAヒョンを見る。
するとチャニヒョンが自分の口を押えた。Aヒョンに関しては黙ったままその写真を見つめている。

「みんな、ごめん」

そしてぽつりと言葉をつぶやいた。

ああ、本当なんだ。
僕はなぜか失恋してしまった気分になる。悲しみのどん底へ突き落されたような、そんな気分。

Aヒョンはゆっくり顔をあげると僕たちの顔を見る。

「………母だ」

「は？」

「え？」

「ん？」