短いお話

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辰哉｢おはようA〜｣


そう言うとギュッとわたしを抱きしめる辰哉





鼻をつままれ、理不尽に起こされたことなど

到底気にしていない素振りの彼




これも年上の余裕なのか





辰哉｢ん？どうした？｣


片方の腕でわたしを抱きながら

空いたもう片方の手でわたしの頭を優しく撫でる






まだ高校生だからって

子ども扱いしているのだろうか



辰哉と同じ歳の大人の女性なら

生理痛の痛みもスマートに流せるのだろうか





考えはどんどんマイナスになって

勝手に惨めになって落ち込む







子ども扱いされているようで無性に腹が立ってきたわたしは

優しく撫でている辰哉の手を振り払った






『髪の毛崩れる』


辰哉｢あぁ、ごめんごめん｣


『暑いから離れて』


辰哉｢どうした？やっぱなんかあったろ？｣





理不尽な態度をとるわたしに

変わらず優しく聞いてくれる辰哉




そんな彼に対して

やはり可愛くない態度をとってしまうわたし








『もう！うるさいなぁ！』



予想に反して大きな声が出て

しまったと思ったときには既に遅くて




辰哉｢……｣



無言のまま部屋から出ていってしまった辰哉







あぁ、やってしまった




理不尽極まりない言動や行動の数々


いくら大人な彼でも怒って当然である





今更、猛省したところで何も変わらず

彼が出ていった扉をただ見つめる事しかできない




そんな自分に心底嫌気がさして

目からこぼれ落ちる涙








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