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首を吊った人間の遺体は汚い、
という事実を知ったのは10歳の頃だった。
母は強い女性だった。
いや、そう錯覚していた。
実際は、幼い息子のために必死に強い女性を演じていたのかも知れない
2年前、若くにして事故でこの世を去った父親
残された幼い子供に母親の生活なんて
殆どの人が想像する通りで
残された遺産と仕事を掛け持ちしては働く母親のおかげで
寂しくはあるが平凡な生活を送っていた
兄弟も居なければ、近くに親戚がいる訳では無い自分が
1人の時間をやり過ごす方法は
踊ることだけだった
父は元ダンサーだったが
母の妊娠を機に会社員へと転職した
そんな父はもちろん大事な一人息子にもダンスを教えてくれた
俺の人生はこれで変わったから、と。
どんどんダンスの魅力に惚れ込んだ俺は
2人に頼んで近くのダンススクールに通わせてもらった
みるみるうちに成長していく姿に
先生や両親も喜んでくれたし
褒めてもらうのが好きだった
何より自分の感情や想いをのせて表現する事が楽しくて
俺の中でダンスの存在はなくてならないものになった
父がいなくなってから
しばらくダンスからも音楽からも遠ざかり塞ぎ込んでいた時期もあったが
長い間続けていたことをやめると体がうずうずしてしまうもので
久々に家の中で踊った日は、下手くそなダンスを滑稽だと思いつつも何故か涙が溢れてとまらなかった。
母が父の後を追ったのは、
父が無くなってからちょうど2年の日だった。
負担になるからとダンススクールを辞めようとした俺を必死にとめて
どんなことがあっても好きなことだけは貫けと言ってきたのは紛れもない母だった
父親がいないことで近所から同情の視線を送られ、
居心地悪く思っていた俺を見透かしたように
母さんがいるでしょ？
父さんの分も母さんが守るから安心しな？
と言ってくれたのも母だった
そんな母の最後の姿は残酷だった。
あんなに強く見えた母は、
本当は寂しくて、押しつぶされそうなのを
必死に隠して生きていたのかもしれない
情けなかった。
何にも気づかないで
勝手にこの人は大丈夫だと思い込んでいた自分が
話を聞いてあげたかった。
なんにも出来なくても、少しでも寄り添ってあげたかった
愛する人を失った悲しみを抱える母を、
父の代わりに
俺が、守りたかった。
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ピペット(プロフ) - あんずさん» ありがとうございます😘私もどストライクで、いつか書くのが夢で☺️同士ですね🫶自分の作品を好きになってもらえるってほんとに幸せです♡ゆっくりにはなりますがよろしくお願いします！大好きの一言でたくさん頑張れます🫰 (1月22日 22時) (
レス) @page9 id: 862aca4f98 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 初コメ失礼します！｢男主・重め・愛され｣はもう私の好みどストライクすぎて…🫶🏻最初から衝撃的な始まりですぐに作品に引き込まれました！！大好きです！！これからも応援しています…！✨️ (1月21日 23時) (レス) id: 0010bffdfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピペット | 作成日時：2023年12月5日 16時
