【東リベ】オレの子猫ちゃんは世界一【三ツ谷】 (ページ5)

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8月3日。

武蔵神社で行われる武蔵祭りに行く為に、三ツ谷が夕方、あたしの家までバイクで迎えに来てくれた。

「ありがと三ツ谷」

「彼女のお迎えくらいどうって事ないって。にしてもバイクで良かったのか？そりゃ行くのは楽だけど」

「浴衣着てたらバイク乗れないっしょ？」

「浴衣姿、見たかったな……。あわよくばAの浴衣をオレが仕立てたかった」

「はいはい。それはまた今度ね」

「絶対だかんな！」

「今日は三ツ谷の後ろに乗りたい気分だったの！だから普通の服でいいの〜」

「嬉しい事言ってくれるなよな〜。さすがオレの彼女サマ」

三ツ谷が運転するバイクの後ろに、よっこらせと乗りながら、三ツ谷の腰に腕を回す。

ふわりと香る三ツ谷の匂い。

これが好きなんだよね。

「んじゃ行くぞ」

「うん」

神社までバイクなら割とすぐ。

すいすいと車の脇をすり抜けて、神社まではすぐだった。

「そう言えばさ」

「んー？」

「昨日ぺーやんがおかしな事言ってたんだけど」

「おかしな事？」

「ドラケン狩りがどうのこうのって」

「！？」

あたしがそう口を開くと、三ツ谷はすぐにバイクを停めた。

「どう言う事だ？」

「そう思ってあたしも聞いたんだけど、何か良くわかんなくて。三ツ谷ならどう言う意味か分かるかなって思ったんだけど……」

「……ぺーやんはドラケンの事が憎いんだ。パーちんを務所から出そうと動いてたマイキーを言いくるめて止めさせたって」

「え、でも……」

「ああ。パーちんの事は東卍の話し合いで仕方がない事だってカタがついた。でもぺーやんは納得してない」

ドラケン狩り。

ぺーやんからその言葉を聞いた時、何それ？ってバカな事思ってた。

三ツ谷の言葉であたしは事の重大さに気付いてしまった。

「あの時のぺーやんの目、ガチだった……」

「チッ……。困ったな」

「ねえどうしよう」

「今日は元々愛美愛主と抗争予定の日だった。それにオレもぺーやんが変なこと言ってたのは知ってる」

「え？」

「愛美愛主の連中とドラケンをまくる」

「それって」

「ドラケン狩りの事だろうな」

「ヤバいじゃん！」

三ツ谷の言葉にどうすんの！？と慌てて聞くあたし。

晴れてた空はどんどん曇って、次第に雨が降り出した。