【東リベ】オレの子猫ちゃんは世界一【三ツ谷】 (ページ19)

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10月31日。

ハロウィンで騒ぎ立つ街。

スーパーやコンビニ、雑貨屋に行けば、ハロウィン関連の商品が目立つ。

あたしはコンビニのお菓子コーナーに陳列されていたハロウィン限定のお菓子をカゴに入れると、レジへと向かった。

そして会計を終えて向かった先は、三ツ谷の家。

「悪いな、迎え行けなくて」

「いいよ別に、お菓子買ってきた。ルナとマナが食べるでしょ？」

「サンキュ」

今日は芭流覇羅との抗争が行われる日。

三ツ谷は弍番隊の隊長だから絶対参加。

隊長って大変だよね。

「Aおねーちゃん！」

「おねーちゃん来たー！」

「おはよ、ルナ、マナ」

駆け寄ってくるルナとマナの頭の上にそれぞれ手を乗せて、挨拶をする。

「じゃあオレ行ってくっから」

「うん。気をつけて」

「ああ」

「派手な怪我しないでよ」

「お守りのコレがあるから大丈夫だって」

そう言って三ツ谷が見せたのはバイクの鍵、にくっついてるストラップ。

前にあたしがあげたやつ。

「お守り効果あんの？それ」

「あるよ」

「ふーん……」

「オレの大事な彼女の手作りストラップが、お守りにならないわけないだろ？」

「はいはいそーですか」

三ツ谷の家の玄関で、特攻服姿の三ツ谷を送り出すのはよくある事。

「タスキ結ぶの手伝ってくんね？」

「ん」

手渡されたタスキを受け取って、三ツ谷の特攻服に結ぶ。

この時あたしはいつも三ツ谷が無事に帰って来ますようにと願いを込めて結んだ。

怪我はするもの。

そんなの喧嘩しに行くんだから当たり前。

でも8・3抗争のドラケンみたいに死の淵を彷徨うような怪我はして欲しくない。

「じゃ、行ってくる。ルナマナの事、よろしくなA」

「いってらっしゃい。気をつけてね隆」

「おう」

三ツ谷の背中を見送って、閉まる玄関に胸がぎゅっとする気持ちを抑えながら、後ろにいたルナマナに振り返る。

「さ、今日は何する？」

「プリキュア見たい！」

「いいよ」

あたしはこの気持ちをルナマナに悟られないように笑う。

そんでもって、怪我してるけど、笑って『ただいま』って帰ってくる三ツ谷に『お帰り』って言うんだ。