【東リベ】オレの子猫ちゃんは世界一【三ツ谷】 (ページ16)

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三ツ谷に言いくるめられて、また裁縫をする事になってしまった。

もう二度とやらないって言ったのに。

てか三ツ谷にあげたあのストラップ、マジであれが最初で最後のつもりだったのに。

「二人の合作！共同作業的な？そう言うの、なんかいいだろ？」

なーんて言われたら断りづらいっての！

部員じゃないのに手芸部の部室行って、端っこの方で布と格闘。

私なんてボタンをシャツに縫い付けるくらいしかできないのに。

しかも仕上がりは雑。

「A、ここはこうやって……」

「っ、う…うん」

あたしの様子を見に来てくれた三ツ谷が、あたしの手から布と針を奪って、分かりやすいように手本を見せて説明してくれる。

「分かったか？」

「ウ、ウン……」

ちょっと手が触れただけなのに、心臓がバクバク。

こんなんでやってけるの？あたし。

「や、安田ちゃん……」

「？どうしたの？」

「三ツ谷がやばい……」

「ああ……。部長、Aちゃんの事、大好きだから」

「は！？」

「ほら、この前一緒にストラップ作ったでしょ？あの後部長がね、すっごく嬉しそうにストラップ眺めてたの見たよ」

「……っ」

三ツ谷がそんな事を？

なんて。

いやでも三ツ谷ならやりそう。

ルナマナが三ツ谷の絵を描いてプレゼントしたやつとか、大事に持ってるし、自慢してくるし。

同じ感じ……なのかな。

だとしたらちょっと嬉しいかも。

「ねえ安田ちゃん、ここさぁ」

「部長ぉー、Aちゃんがここどうしたらいいかって聞いてますよー」

「おー。今行くわー」

「ちょっ、安田ちゃん！？安田ちゃんに聞いてんだけど！？」

「だってそれ、部長と二人で作るんでしょ？だったら部長に聞かなきゃ」

「この裏切り者め……！」

「そこは協力者って言ってよ〜！」

呼んだか？ってひょっこり三ツ谷が現れて、あたしが難しいって言ってた場所を三ツ谷が代わりにやってくれて。

「こう言う難しい所はオレが代わりにやるから、頑張れ」

「……これほとんどあたしが作ってない？」

「そんな事ないって」

「あたしが作ったって綺麗に仕上がんないんだけど……」

「綺麗か綺麗じゃないかは関係ねえよ。気持ちが篭ってれば」

「気持ち………」

「こう言うのって、気持ちが大事だろ？」

「………うん」