【東リベ】オレの子猫ちゃんは世界一【三ツ谷】 (ページ15)

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人前でイチャつくのが苦手なのはAの可愛い所。

バイクに乗ってる時、そんなにしがみつかなくても大丈夫なのに、ぎゅっと抱きついてくんのはAなりの甘え。

全部知ってる。

一人っ子だけどオレと同じ片親で、ほんとは甘えたいのに甘えられなくて。

親父さんが忙しいから、困らせないようにわがままとか一切言わないで。

だから甘え方を知らなくて。

Aの事を好きになった時に決めたんだ。

オレがAをめちゃくちゃ甘やかしてやるって。

「今日もAは可愛いな〜」

「そう言うのマジでやめて！！」

普段はツンデレだけど、ふとした時に見せる照れてる表情だったり、驚いた表情だったり、嬉しそうな表情だったり。

全部全部、大好きなんだ。

二人きりの時しか下の名前で呼ばせてくれない、呼んでくれないのはチョット不満だけどな。

「あ、そう言えばさ」

「何？」

「この前、Aがくれたストラップ。あれ、バイクの鍵につける事にした」

この間Aがプレゼントしてくれたバイクのストラップ。

裁縫めちゃくちゃ苦手なのにオレの為に指怪我しまくってまで使ってくれたやつ。

オレの一生もんの宝物。

「今度オレもAに何か作るよ。何がいい？」

「別にお返しが欲しくて作ったわけじゃないんだけど……」

「オレがAにプレゼントしたいんだ。手作りのやつを」

「……隆が作ってくれるなら、なんでもいい…」

「嬉しい事言ってくれるな〜！」

「でも…」

「でも？」

「三ツ谷裁縫上手いから、あたしより上手いの作ってお返しされんのは………チョットムカつく」

「エ゛ッ」

「だってそうでしょ？」

「ゔ、ゔーん……。そう来たか〜」

これは困った。

でも、だからってあげないってのはオレが納得できないし。

「じゃあ、二人でお揃いのものを一緒に作るってのは？」

「お揃い？」

「よくいるじゃん。恋人同士で同じもの身につけたりするやつ。あれ」

「まあ……そう言う事、なら？」

「じゃあ今日の放課後、部室な」

「え、今日から！？」

「部活の間合いに使った方が効率的だろ？材料とか道具とか」

「いやそうだけど……」