【東リベ】早く起きろよ、バーカ【真一郎】

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ぽやぽやとした気分で眠りから覚める。


起きあがろうとして腰に回された腕に気づいて動きを止めた。


そうだ昨日は真一郎と、なんて考えて少し恥ずかしくなって、でも時間だし起きなきゃって。





「真一郎、朝」


「ん……」





腰に回された腕を無理に振り解くわけでもなく、あたしは真一郎の寝顔を眺めてみた。


寝てる姿が子供っぽくて、ちょっと可愛いなって。





「ほら、起きて。真一郎」


「キスしてくれたら起きる……」


「調子乗んなよ。デコピン喰らわせてやる」





べちん、と額にデコピンをお見舞いしてやると、真一郎は少し顔を歪ませた。





「いてーよ」


「痛くしてんの。ほら、仕事あんでしょ。さっさと起きる」


「へいへい」


「あたしも午後からバイトだから」


「休みじゃねえの？」


「うん」


「んだよ……一緒に行こうと思ったのに。店」


「帰りに寄るから」


「絶対な」


「いつも寄ってんでしょーが」





エマが作ってくれた朝ごはんを食べようとした時、真一郎が早速エマと万次郎に





『オレ、昨日Aにプロポーズしたから。今日からAはオレの彼女じゃなくて嫁な』





なんて言うから大騒ぎ。


エマなんて目玉焼きを作ってたフライ返しを持ったまま迫る勢いで。


マイキーなんて察しがいいから昨日真一郎の部屋でヤッたの？とか言うし。


それはもう大変だった。





「んじゃ、また後でな」


「ん」





佐野家で朝ごはんを食べて、真一郎に家まで送ってもらった。


エマにいつ結婚式すんの、とか色々聞かれたり。


左手の薬指にツッコミ入れられたりしたけど、まあ楽しかった。





「真一郎」


「ん？」


「ありがと」


「おう！」





バイクで走り去る真一郎を見送って、あたしは家の中に入った。


それからやる事やって、バイトに行って。


同僚に指輪の事ツッコまれたり。





「Aちゃんお疲れ様ー！」


「お疲れ。じゃあお先」





バイト終わり。


いつもの様に持ち帰りのコーヒーを持って、真一郎のバイク屋へ向かう。


夜は裏口から入って行って、真一郎。と声をかける。


いつもは、おう！と返って来るはずの声がなかった。


不思議に思っていると次の瞬間、信じられない光景が目に入って来たのだった。

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