【東リベ】早く起きろよ、バーカ【真一郎】

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真一郎が万次郎の為にとコツコツ整備しているバイク。


完成までは後もう少し。


元々このバイクは真一郎が乗ってて、万次郎がちょうだいなんて前に言ってて、ヤダなんて断ってたのを見た。


なのに何で急にあげる気になったの。


そう聞いたら、





「族の総長やってんのに、乗ってるバイクが原付じゃカッコつかねえだろ？」


「まあ総長が原付じゃね。そらダサいわ」


「原付じゃコールも出来ねえしな」





バイト終わりに真一郎の店に寄る。


休みの日はだいたい朝から来てる。


暇なのか？他にする事は？って言われたら、暇だし、特にする事ないって言うね。


ちっともバイクに興味はないんだけど、バイク弄ってる真一郎の姿を見るのは好きなんだよなー。


なんて。


まあ本人には絶対教えてやらないけど。


この間万次郎に、真一郎のどこに惚れたの、なんて聞かれたけど、こう言う姿に惚れてんのかもね。





「A」


「ん？」


「こいつ(バブ)が完成したら、一緒に海行こうぜ」


「海？」


「試乗がてら海。いいだろ？」


「いいけど……。いいの？それ、万次郎にあげるんでしょ」


「あいつにやる前はまだオレのもんだからいいんだよ」


「そーですか」





海かぁ、潮風べたべたするけど、海って綺麗だから眺めるの好き。


ずっと波打ち際歩いたり、打ち寄せる波を眺めるの。





「今週末、バイトは？」


「日曜休み。土曜は夕方で終わり」


「じゃあ土曜の夜」


「夜行くの？」


「夜の方が道も空いてるし、暑くないだろうし、いいだろ？」


「まあ、ね」





バイクを弄る手を止めて、こっちに振り向いてニッと笑う真一郎。


この笑顔に弱い。





「帰りにラブホでも寄って一線超えてみるか？」


「殺されたいならいいけど？」


「冗談だって！だからその手に持ってる工具下せ……？お前が持ったら本気に見えっから」


「冗談じゃなきゃ振り下ろしてたわ」


「真顔で工具持つのマジでやめてくれ………肝冷える」


「ふざけたあんたが悪い」





まあ正直、シてあげなくもない、けど。


でも万次郎にバレたら厄介だし。


真一郎の事だから、ヤッたら周りに言いふらしそうだし。


それがなけりゃとっくに………。


いや、やっぱりないかな。

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