【東リベ】早く起きろよ、バーカ【真一郎】

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「妹が出来た」


「はあ？急になに」





それはまだ学生の頃。


真一郎がクソダッサイ髪型してた頃ね。


急に妹が出来たなんて言うから、何のこっちゃって。





「将来お前の妹にもなるんだし、可愛がってくれよな」


「ええ〜〜……。手のかかるのは万次郎だけでいいんだけど……。てか意味わからんし。ナニ、将来って」


「まあそう言うなって。頼むよ」


「………」





名前はエマ。


真一郎と万次郎の腹違いの妹。


万作さんの所に預けられたらしい。


預けられた、というより、捨てられたという方が正直正しい。





「ウチは男しか居ないだろ。女一人で不安だと思う。だから頼む」





そう言って真一郎はあたしに頭を下げた。


不良のクセして、そう言う所は一丁前にしっかりしてて。









「エマちゃん？」


「え？」





道場をこっそり覗き込むエマに話しかける。





「あたし、Aって言うの。よろしくネ」


「……」


「あ、Aだ」


「よー、万次郎。サボらず稽古やってんの？えらいじゃん」


「やってるし」


「どこがだよ佐野！サボってるくせに！」


「オレは天才だからいーの！」





万作さんがやってる道場の生徒だった圭介。


万次郎もいて、万次郎は天才って言われてて。


ロクに稽古してないくせに才能あって。





「A、シンイチローのカノジョ」


「ちげーわクソガキ」


「この間部屋でキスしてんの見た」


「してねえよ！！！！」


「マジかよ佐野！」


「ウン」


「嘘こくな！あれは目にゴミが入ってあれしてただけだし！！」


「どさくさに紛れてシンイチローがキスしてんのオレ見ちゃったもんね〜」


「万次郎！！」





誤解を招く様な言い方すんな！


と万次郎を叱る。


キスなんてしてないから！ほんと！！





「Aちゃん顔赤いぜ？大丈夫かよ」


「圭介は万次郎みたいに捻くれんなよ……」


「？」





純粋な圭介は可愛かったんだ。


本当に。


万次郎はこの頃からクソガキだったけど。





「エマちゃん」


「！」


「このバカとか、真一郎の事とかで困ったら、いつでも言っていいからね」


「……ウン」





初めは距離があったけど、話すうちにそのうち距離はどんどん近くなって。





「お姉ちゃ〜ん！！聞いてよマイキーがぁ〜〜！！」


「え？何、今度は何したの？」


「ウチのお気に入りのシュシュで遊んでんの！」


「何やってんの万次郎。アホくさッ」

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