episode59 ページ9
『寝てんね。』
こういう男女が入り混じった飲みの場で無防備な姿を見せるその姿に
凄く、凄く凄く苛立ちを覚えた
赤く染まったままの頬を親友の肩に寄せ、身体の前で腕をだらけさせるその姿。
満場一致で男性陣の思っていることは同じなんだと思う
身体のラインの出る黒のニットがこれほどにえろいものなのかと
佐藤:あら、寝ちゃった?田中送ってやれよ〜
田中の背中を押す佐藤を横目に彼女は気付かない
むしろ眠りから覚める様子はない
田中からしたら絶好の機会以外何物でもない
『ん。これ二人分。』
財布から出した5000円を佐藤に渡すと素直に驚かれた
ジャケットと鞄を片手で抱えて立ち上がれば一斉に視線は俺のほうへ向けられた
『俺、送ってくよ。ユキさん背負うの手伝って』
彼女に指示をすれば思いのほか、すんなりと屈んだ俺の背中にAを乗せるのを手伝ってくれた
『よっと…』
田中:ま、待って。何で吉沢が…
高確率で田中がそう発言すると思っていた。動揺を隠せないのか酔っているのか。
自分の狙っている女が意識飛ばして同僚の背中で眠っているのだから当然の反応か
『だって家知ってんの俺だけでしょ』
・
・
一度だけ
付き合っていた頃に一度だけ彼女にお願いされたことがある
抱きしめてほしいと、帰り道に。
あの頃は何とも思わなかった
ただ抱きしめてあげることで彼女のことを満足させられるなら…
それぐらいの気持ちだった
『…親友A子に住所聞いとくんだった…』
突発的に店を出たはいいものの、徒歩圏内の近所ってことぐらいしか知らない
寝息をたてる彼女と彼女のジャケットと鞄を持ってただ歩く
さすがに自分の家に連れ込むのはそれこそ縁を切られかねない
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びじんさま(プロフ) - 更新停止中( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)続きが楽しみです。。 (9月25日 12時) (レス) id: 0f5a3f80da (このIDを非表示/違反報告)
perfumer - 面白くて一気読みしてしまいました!更新頑張ってください(^^) (2021年10月7日 8時) (レス) @page7 id: c58da712a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:君との時間。 | 作成日時:2021年8月25日 14時