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episode56 ページ6

彼女とは何度か食事に行ったと聞いていた
女の子が好きそうなお店のリサーチを他の課の女の子にしていたと前田が言っていた。
まるで息子に初めて彼女が出来たような父のような。

女性社員からの評判は同期の中でもトップだが、なんせ女慣れしていない
そんな彼が夢中になって何度もアタックしていたのがまさか自分の元カノだとは思わなんだ
彼女にフラれてから会わなくなって時間が出来たということか。



田中:吉沢は?気になる子とかできた?


グラスの縁一杯に泡立つ生ビールに喉を潤し、またテーブルに戻した
ごまかすように近くにあったメニューに手を伸ばしパラパラと見始めた


『仕事ばっかだからそんな余裕無いって。』


ヘラッと笑い返すと田中も同じように口角を上げて笑い返した
多分、嘘は上手い方だ
ぐびぐびと生ビールを喉に通していると今度は正面の彼女と目が合った



ユキ:吉沢さん、この間女の子とランチ行ってたって社内でもちきりですよ。


そうだ。
彼女と仲がいいということはそういうことだ
彼女がもし俺のことを彼女に話していたとしたら、もしかしたら敵かもしれない
既にハンデの状態か…?


佐藤:え。聞いてないんですけどー!


いやいや
こんな遠回しな煽り方、知っているに決まっている


『うん。昔からの知り合いなのでね。』


どうも異性の中でも明確に苦手なタイプがある
彼女のように自信家でこちらの様子を見てどんな反応を示すか楽しむ子。
親友A子とでも言うのか。何でこういうタイプって揃って声がでかいんだ


田中:あ、お二人は初めましてか。


初めて会ったが初めてな気がしない
そういえば高校時代にAといつもいた友達もこういうタイプだったような…



ユキ:あ、ご心配なく。私は吉沢さんはタイプじゃないので。


『奇遇ですね。僕もです。』



営業用の笑顔を彼女に向けるとまた彼女も同じように笑みを浮かべた。





ガラガラ…


個室の入り口が引くと料理が届いたのかと視線がそちらへ集中した
入り口側にいる俺も反射的に振り返ったが、店員の声がしない

棒立ちで入口に立つAがいた


「あ…こんばんは。」



静まった室内に挨拶が響くと、空いてる俺と田中の間の席に腰かけた
腰かけた彼女の方をジッと見ると視線に気付いているのか。よそよそしく俺の方にあったメニューに手を伸ばした


『はい。』
「…ありがとうございます」


ランチに行った日振りだろうか
何だか凄く久しぶりに彼女と目が合ったような気がした

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設定タグ:吉沢亮 , 横浜流星 , 俳優   
作品ジャンル:恋愛
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びじんさま(プロフ) - 更新停止中( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)続きが楽しみです。。 (9月25日 12時) (レス) id: 0f5a3f80da (このIDを非表示/違反報告)
perfumer - 面白くて一気読みしてしまいました!更新頑張ってください(^^) (2021年10月7日 8時) (レス) @page7 id: c58da712a3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:君との時間。 | 作成日時:2021年8月25日 14時

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