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episode13 ページ13

デートと言っても腕を組んだり、キスをしたりなどない
服屋とか雑貨屋をうろちょろして一緒に映画を見るぐらい

ドラマで見るみたいな彼女が欲しそうに眺めてるものをサプライズで買う、
そんな展開現実ではまずない。
彼女が何が好きで何が嫌いか知らないから



8ヶ月ぐらい付き合って知ったこと


彼女はあまり流行りの曲は知らない
アルバイトは家の近所のコンビニでしている
ホラー映画が好き


『…あとミルクティーが苦手だった。』

山田:まじで言ってる?8ヶ月付き合ってそんだけ?

『まあ最後の2ヶ月は殆ど話もしてなかったから』



彼女と見た映画の名前は思い出せないのに
彼女がどんな表情で映画を見ていたかは覚えている

ホラー映画が好きなくせに顔を歪める

いつもあまり感情を出さない彼女が顔に出していたのが印象的だった


山田:で?それでお前からふったの?

『…結局一緒だなーって思って。』



山田の箸はテーブルに並ぶ料理に手が伸びるのに
俺は一口も食べる気分にはなれなかった


思い出すのは今まで付き合ってきた子や母親のことだった


『好きって言うのは簡単なんだよ。一緒にいるのは難しいのに』


好き、付き合って
簡単に言って付き合ってきた

彼女も同じだ
好きだ、付き合おう、デートしよう


最初はずっとそう言っていたのに



『…よく言うじゃん。恋に恋してたとか。多分彼女もそうだと思う』


俺の彼女への返信が遅いことは付き合った頃からだった
彼女はすぐ返してきてまた遅く返す。その繰り返し

だけど何ヵ月が経つと彼女からの返信も遅くなるようになった
そういうことには敏感で


学校で話すことは殆どないけど、廊下ですれ違う時に目が合ったり
そういうことがあったのに

廊下ですれ違っても彼女と目が合うことはなくなった
俺のこと見ないで友達と話して笑っていた


山田:それで好きじゃなくなったと思ったわけだ

『…』

山田:なんだ。ちゃんと好きだったんじゃん、目で追いかけるぐらい




山田にそう言われた時


ようやく初めて気付いた


…好きだったんだ。



山田:ショックだったんだろ?自分のこと好き好きって言ってた彼女に後回しにされるようになって、視界に入らなくなって。


まるで模範解答の解説をするみたいに
山田はすらすらと言葉で表してみせた


『…そうだったかも。』



気付いた時には
彼女と別れて1年も経っていた

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設定タグ:吉沢亮 , 横浜流星 , 俳優   
作品ジャンル:恋愛
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キャラメル味(プロフ) - この作品を待っていました!楽しみです!作者さんのペースで更新頑張ってください! (2021年2月2日 20時) (レス) id: e1584a2181 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:君との時間。 | 作成日時:2021年1月31日 11時

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