七日目(３) ページ13
「A？」
「カミュさんの手が大きかったからです…」
「…は？」
「う〜…ごめんなさい。し、失礼します…！」
「おい、ちょっと待…」
彼にはペースを崩されっぱなしで毎度心臓が苦しくなる。
先に蒸風呂に向かったであろうイレブンさんたちを追いかけるべく向かっていこうとしたけれどおかしいな…蒸風呂屋さんは一体どこにあるのだろうか
「まさか…」
"迷子"という言葉が浮かんだのをかき消すように下を向きかけていた顔を上げる。大丈夫、街の外ならともかく人里の中で危険なんてそうそうない、はず。でも注意されたばかりなのに早速失敗した自分に悲しくなる。
「カミュさんに怒られる…」
思わず頭を抱えてしゃがみ込むと遊んでいた子供たちに心配される始末…なんてダメな女なんだ。
「お姉ちゃん、どうしたの？大丈夫？」
「迷子になったの？」
「うん、大丈夫。ありがとう。ところで、蒸風呂屋さんてどこにあるかわかるかな？」
「Aっ…おま、いい加減に…っ、しろよ…」
あっちーって可愛らしく指を指した先に見えたのは息を切らしながらこちらを向いて腕を組んでいるカミュさんで。また迷惑をかけてしまったと目を合わせることが出来ない。子供たちに手を振ってすぐに走りよると今度こそは逃げられないように配慮しているのか先ほどよりも少しだけ掴む力が強い
「ご、ごめんなさい…」
「どうせ蒸風呂屋にいるだろうと思って店に向かったらまだお前が来ていないって言われた時の俺の気持ち、わかるよな？」
「はい…」
「それで？お前に危機管理能力は？」
「ない、かもしれません…」
「わかればいい。ほら、行くぞ」
そのまま歩き出す。手は掴まれたままだ。でも、もうむやみやたらに離れるのはやめようと強く心に誓うことにする。私が観念したことに気づいたのかカミュさんの力も緩んだので先ほどよりも手の感覚に集中してしまって落ち着かない。気にしたら負けだ、とは分かっているけれどどうしても斜め上あたりの視界に入る横顔を見てしまう。
「あ、わ…ご、ごめんなさい」
「何がだよ…」
バチリ、視線がぶつかって慌てて逸らす。三秒以上目を合わせると死んでしまうかもしれない。
なんで目を逸らしたのかも謝ったのかもわからないと言った様子でカミュさんは静かに溜息をついていた。
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リィリ - 妄想が爆発しちゃいます。とても、面白いです！ (2019年1月11日 22時) (
レス) id: 401a5e74b1 (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - わー！懐かしー！今はもう断捨離したつもりだったけど、あー！今なら良さがよくわかる！ (2018年12月30日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
深 - カミュに愛されるヒロインちゃん。愛おしいです。更新首を長くして待っています。 (2018年3月14日 1時) (レス) id: f04a5e4031 (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち - 凄く面白いです！更新楽しみに待ってますね♪ゆっくりで大丈夫です！ (2018年1月22日 20時) (レス) id: b715a17a6f (このIDを非表示/違反報告)
ぴぬこ(プロフ) - クルルさん» コメントが通知来ておらず返信遅くなってしまってすみません…初めましてこんばんは、コメントありがとうございました。亀更新ですが頑張ります…！ (2017年12月25日 22時) (レス) id: cd5f3e3a51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわ | 作成日時：2017年8月18日 7時
