音柱は継子依存症

師範、本気ですか？ ページ46

宇「好きだ」




気持ちは既に、

ずっと前から、

師範に恋をしていたのだと、

今なら分かる。



きっと、

“師範” の “継子” である

この関係が蓋を

していた。





けど、自分の気持ちに

蓋をするだなんて、

地味だよね。







師範の

大きく鍛え上げられた体が

ゆっくりと離れていくと、

外の少し冷えた空気を

また肌がとらえた。



師範は私の肩だけは

掴んで離さない。




月を背景に

私と師範は目を合わせる。



普段あまり見ない

熱っぽくて真剣な

師範の目から視線をそらせない。









宇「結婚してくれ。





どうか、俺の嫁になってほしい」









あぁ、なんて幸せなんだろう。


恋慕う人から求婚されて、

嬉しくないはずがない。









『ごめんなさい』









でも、お嫁さんは無理。





宇「理由、聞かせてくれ」


そうだよね。


お互い想い合ってるのに、

今の返事に納得できるわけがない。






『今の私には、

柱になる

という第1の目標があります。



きっと、師範のお嫁さんになったら

毎日が幸せで

それがおろそかになってしまいそうで

怖いんです。



だから、

私が柱になるまで、

待ってください』



そう。


今の現状で、

お嫁さんになるのは

難しい。


私は柱になるのが

最優先だから。




そう、“お嫁さん” になるのは。






『恋仲じゃ、いけませんか？


“継子” 兼 “恋仲” です。



柱になれるまで、

師範と一生を過ごす女に

ふさわしくなれるように

恋仲として、

準備をさせてください』






断られるかな。



こんなの、ワガママだし。








宇「もちろん、いいに決まってる」

『ほ、ほんとですか！』



師範は月に負けないほどの

派手に眩しい笑顔で言った。




宇「おまえさんが無事に、

柱になれるように

ド派手に俺様が見てやるよ。




あ。そうだ。



明日から鍛錬追加な」



今まで通りの鍛錬は

自分の体力が余るほどだったし、

追加してもらえるのはありがたい。






宇「お嫁さんになれるための

鍛錬もしてやるからな」



一気に顔があっつくなった。


鍛錬って、

お嫁さん修行ってこと！？///





『分かりました…///』

宇「今までみてぇに

なまっちょろいことはしねぇから

覚悟しとけよ？





………よろしくな。///

今日から」

『こちらこそ…、


よろしくお願いします…///』




2人で肩を寄せ合い、

月を見る。

作者から！→←師範、直球ですね。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す