音柱は継子依存症

継子、離れろ。 ページ30

俺は今、

ド派手に地味なイラつきを

抱えている。





煉「Aよ！

腕の振りに勢いをつけるといいぞ！」

『はい！！

煉獄様！』





同じく柱の煉獄杏寿郎のせいだ。


やたら距離が近ェ………。





宇「………は、」





煉獄がAの後ろに回り込み、

Aの手に

自らの手を重ねた。



派手に密着してやがる。









さすがに、


黙っていられない。







宇「おい…、


菓子、あるけど」


『わあ！！


食べたいです！

食べましょう！！』

煉「うむ！！」







なぜアイツらが仲良いのか。

俺にも

分からない。


悶々とした気持ちで

菓子を棚から取り出す。








宇「わけ、分かんねぇ…」



『師範！！！』


宇「うお！


…なんだよ、派手にビビったぜ…」

『えへへ。

ごめんなさい！』




どうやら茶を淹れに来たらしい。




宇「なんで

あんなにベタベタしてるわけ？」





『え？』







なんで俺だけを見てくれない。




ただ、仲が良い。


それは分かってる、けど。







宇「あんま、ベタベタすんな。


男に触れていいのも、

俺だけな」



Aの頭にぽん、と手を置く。


『は、い』









3人で菓子を食べる。



『んー！



おいひ〜！！♡』








俺は不安だ。

ド派手に不安だ…！



なんで煉獄は

Aの隣を保っている！？！？





煉「ついているぞ」

『え、えっ///』



煉獄は

Aの頬についていた菓子を

口に入れた。









宇「あのよ、れんg…」



『煉獄様、すみません！』

煉「？？」



『私、師範以外の方と

触れ合っちゃいけないんです！


約束したので！！』







煉獄が目を剥いたように、

俺もその言葉に目を剥いた。




煉「そ、そうか…。


それはすまんな。

以後、気をつけよう」









Aが厠へ行った。



煉「どうした宇髄。

顔がほころんでいるぞ！」

宇「うわ、まじか！」




Aの言葉が嬉しくて、

口元が緩んだんだろう。


派手に嬉しかったなー。




煉「宇髄！

俺は諦めの悪い男だ！



…Aは、俺のものにする」







なに、言ってんだ。





煉「俺はAに惚れている、

我々は好みの女性像が似ているようだ！




…では、千寿郎が待っているのでな！

失礼する！！」





厠から、Aが戻って来た。



『あれ、煉獄様は？』


宇「A…、


煉獄に近づくんじゃねぇぞ…」





『約束守ったのに……！？』

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