ツンデレ悪魔《青》

ep18 ※nb ページ18

翔太side


最近自分がおかしい。
気づけばAのことを目で追ってしまっていて、いつも浮かぶのはあいつの顔。
まるで中学生の片思いをしているような感覚だ。



たまたま阿部とふたりで飲んでいるところに遭遇してしまい、嫌でも目についてしまう。


しかもAって呼んでいた。
いつの間にそんな仲になったんだ…
苦しくなる胸にもうこの気持ちが誤魔化せるわけもなく


いつの間にか好きになっていたことに気づいた。



勇気を出して、送って行くと言ったのに断られてしまうし。
俺のことは指導係としか思っていないんだろうな。
少しでも自分の気持ちに気づいてほしくてメールを送ったけど、鈍感そうなあいつはたぶん気づかないだろう。






次の日職場に着く直前で阿部に出会った。


阿「おはようございます。」



渡「おはよ。」



阿「昨日一緒にいた女性…彼女さんですか？」



渡「は？…なわけないだろ。」



阿「違うんですか？てっきりそうだと思ってました。」



驚いた顔をしている阿部に嫌な胸騒ぎがする。



渡「…もしかしてAも勘違いしてる？」



阿「気になりますか？」


こいつ…俺を試してるな。絶対Aに気があるだろ。



そこに深澤と一緒にいるAの姿が見えた。



阿「あ！深澤さん、A！おはよう。」



深「おー！って阿部、Aちゃんのこと下の名前で呼んでたっけ？」


阿「まぁ、色々あって。」


Aもなぜか赤い顔してうつむいてる。
…何かあったのか？気になるけど聞けない。





昼休み深澤と食堂へ行った。

深「おい、どうなってんだよ！なんで阿部とAちゃん急接近してるんだ！？」


渡「…知らねぇよ。」



深「翔太いいのか？このままじゃAちゃん取られるぞ。」



いいわけない。俺だって好きなんだから。
でも今まで自分から追いかけたことない俺は恋愛初心者も同然で、どうしたらいいのか分からない。


渡「これからどうすればいい？」


深「とりあえずせめまくれ！まず意識してもらわないと始まらないでしょ。」


さすが深澤。経験が多いだけあってアドバイスが的確だ。

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