秘密の同居生活《青》

ep35 ※nb ページ35

翔太side


日曜日Aはデートに行くらしい
たぶん相手は目黒とかいう男だろう

好きだと自覚したのに
何も行動に移せない自分がカッコ悪い
俺だってAと一緒に出掛けたいのに…


深「なべ、Aちゃん誰とデートなの？お前いいの？」


渡「バイト先のやつだろ。しかたねぇじゃん」


深「このままだとAちゃん誰かのものになっちまうぞ〜。待ってるだけじゃ何も始まらないからな！」


そうふっかに言われ背中を叩かれる


分かってる…でも誰かを好きになるなんて
自分から行動を起こすなんて
今まで経験したことがないから
どうしていいか分からない



—————-

その日の夜Aは大きな買い物袋を持って帰ってきた

たぶんデートに着ていく服だろう

渡「…日曜、誰と出かけるの？」


『えっと…この前話した目黒くんだよ。バイトが一緒の』


やっぱり目黒ってやつだった
あいつの為にAが選んだ服…
どうしようもなく悔しい気持ちが込み上げてくる


——————-

日曜日

部屋から出てきたAを見て
食べていたパンを思わず落としてしまう

普段から可愛いけど、今日は化粧もしっかりして
髪の毛も巻いていてびっくりするほど可愛い

『出掛けてくるね。夕方には帰ってくるから』


渡「…ああ、分かった。」


目黒の為に頑張って準備したと思うと
どうしようもなく悔しい
こんなに可愛いAを誰にも見せたくない
俺だけのものになればいいのに
気づけば後ろから抱きしめていた


『えっ！？翔太…どうしたの？』


Aが焦った声で言う
目黒と一緒にいても、俺のことを考えてもらえるように
しばらく抱きしめた腕は解かない


『…時間遅れちゃうよ。』


渡「行くなって言ったら…」


Aはどうする？
こんなことを言ってもAは行くだろう
人との約束を平気で破るようなやつじゃない



渡「ごめん…気をつけて」


俺がそう言うとAは出掛けて行った

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