ほっといて

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京本side





こーちに、冷やすもんある？って保冷剤を貰って






母親がいつも持たせるハンカチに包んでそっとおでこに当てれば








みんなぽかーんと俺を見つめる。









まぁそれもそのはず




普段、全くと言っていいほど女子に興味がなく関わりのない俺が






目の前の女の子を心配しておでこに保冷剤を当ててるんだもん









まだぽかーんとしてる樹に謝らせれば、いやこちらこそ...なんて謝り合いが始まって









そんな2人を見て、なぜだかイライラして。









「そういえばなんでドアの前にいたの？」ってジェシーの問いかけに




『昨日、金髪さんに借りた傘を返しに...』って持ってた傘を渡され、「ん、」と受け取る









金髪さん、か。









『保冷剤、ありがとうございました。』って行こうとする君に









...これ名前聞けるチャンスじゃね？って思ったら







「お弁当、まだでしょ？一緒に食べよ」って引き止めてた。



















それから順番に自己紹介してって、少し話してれば昼休みが終わり



『用事思い出した』って慌てて出てった佐伯さん









午後の授業中、なぜか俺を見つめる隣の席の樹






樹「きょも、なんかいいことでもあったの？」


「...は？なんで？」


樹「いや、なんかめっちゃ機嫌いいじゃん！」





かわいい〜〜なんて言ってる樹を無視して前を向けば



「え！無視しないで！」って









...俺そんな態度に出てんの？









.









放課後、またあいつらを置いて下駄箱に向かうと









「佐伯さん？」


『...京本くん』









また君に会えた








「おでこ、もう大丈夫？」って聞けば『京本くんが冷やしてくれたから、もう痛くないよ。ありがとう』ってニコニコするから









ドキッと胸が鳴って









あ...かわいい、って声に出しそうになった









「よかった、」





『...あ、じゃあもう行くね』


「ん、また明日。お大事にね」









少ししか話せなかったけど、そんなのどうでもいいくらい嬉しくて






あとから来た樹たちに「どうした？」って心配された





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